電子化が進んでいるのは「勤怠管理」。「印鑑」や「契約書」では遅れも
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けてテレワークを導入する企業が増える中、職場でのペーパーレス化は進んでいるのだろうか。「あなたの会社は、どのような点が『電子化』されたか」との質問への回答を項目別に見ると、「勤怠管理」では、「完全に電子化された」が51.8%、「一部電子化された」が21.2%となり、合計で73%と、全項目中で最も多くなった。2019年4月から「従業員の労働時間の把握」が義務化されたことにより、他の業務より電子化が進んだと考えられる。反対に「完全に電子化された」との回答が少なかったのは、「印鑑」(10.5%)、「FAX」(14.8%)、「契約書」(15%)。いずれも1割台という。この3項目については、「電子化されていない」が約5割~6割超という結果となった。
5割以上が「この1年でペーパーレス化が進んでいない」と回答
「あなたの職場は、この1年でペーパーレス化が進んでいるか」との質問に対し、「進んでいる」との回答は43.9%(「とても進んでいる」が7.2%、「やや進んでいる」が36.7%)であった。一方で、「進んでいない」は56.1%(「あまり進んでいない」が35.4%、「全く進んでいない」が20.7%)と、半数以上を占めた。ペーパーレス化の進行度による「業務生産性向上」の実感の差は顕著か
「あなたの職場のペーパーレス化が進むと、業務の生産性が向上すると思うか」という質問に対して、全体では「向上する」が45.4%(「向上する」が12.9%、「やや向上する」が32.5%)と回答していた。その一方で、生産性が「落ちる」は10.1%(「やや落ちる」が7.5%、「落ちる」が2.6%)と、全体の1割程度にとどまった。職場におけるペーパーレス化の進捗状況ごとに結果を見てみると、「職場のペーパーレス化がとても進んでいる」と回答した群では、80.5%が、「業務の生産性が向上する」(「向上する」が45.8%、「やや向上する」が34.7%)と答えていた。一方、「ペーパーレス化がまったく進んでいない」とした群では、22.7%(「向上する」が10.1%、「やや向上する」が12.6%)と2割程度にとどまり、両者の間に60ポイント近い意識の差があった。