パーソルキャリア株式会社は2021年4月19日、「地方在住」や「地方および故郷への転職」に関する調査結果を発表した。調査は2020年8月に行なわれ、20~59歳の正社員15,000名から回答を得た。これにより、「地方移住への興味」や、「都市部から地方・故郷へ転職した理由」などが明らかとなった。
新型コロナの影響で、ビジネスパーソンの地方転職(Uターン・Iターン)や移住に対する興味に変化はあったのか?

約3割が地方移住に「興味あり」

現在、「新型コロナウイルス感染症拡大の影響」や「働き方の多様化」により、移住や転職のニーズは高まっているといえるだろう。そこにはどのような理由があるのだろうか。

はじめに、「新型コロナ感染拡大の影響で、故郷や地方へ移住して仕事をすることにどの程度興味を持っているか」を尋ねた。すると、「興味があり、すでに移住している」が2.6%、「興味があり、前向きに検討したいと思う」が7.9%、「まあまあ興味がある」が18.7%と、合わせて29.2%が移住に対して興味を示していることがわかった。
新型コロナの影響で、ビジネスパーソンの地方転職(Uターン・Iターン)や移住に対する興味に変化はあったのか?

20~30代は、地方移住への「関心が高い」傾向に

次に、「地方移住への関心」を年代別に比較。その結果、「地方移住に興味がある」との回答は、20代が37%、30代が30.2%といずれも3割を超え、全体平均の29.2%を上回った。

さらに、20代は「興味があり、すでに移住している」が3.3%、「興味があり、前向きに検討したいと思う」が12.5%と、いずれも全年代の中で最も高い結果に。支援制度の充足などにより「地方で暮らしながら働く」という選択肢は増えつつあるが、コロナ禍でその傾向はより高まったことが示唆された。
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地方移住の理由は「実家がある」が最多

最後に、これまでに転勤以外で都市部から地方や故郷に転職した経験があるビジネスパーソンに、「その理由」を尋ねた。すると、「実家がある」が44.9%と最も多く、生まれ育った土地にUターンする転職者は4割超いることがわかった。以下、「自然にあふれた魅力的な環境」が20.9%、「都会の生活に疲れた」が20.5%と続いた。

自由回答からは、「家賃が安くて部屋が広い」、「長時間の電車通勤がない」、「食べ物がおいしい」など、地方生活によるコストの減少や快適さから、生活の満足度が上がったという声も。一方で、「給与水準が低い」、「利便性の高い都市部から移住したため、地方の不便さを強く感じた」と、生活の満足度が下がったという声も寄せられた。
新型コロナの影響で、ビジネスパーソンの地方転職(Uターン・Iターン)や移住に対する興味に変化はあったのか?
価値観の多様化により、さまざまな働き方が求められるようになった現在、地方への移住や転職のニーズは、今後より一層増えていくだろう。その状況を踏まえ、企業側はテレワーク拡大やワーケーション制度の導入など、従業員の働きやすさを考えた施策を検討してみてはいかがだろうか。

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