経済産業省(以下、経産省)は2021年1月4日、オンライン補助金申請システム「Jグランツ2.0」の提供を開始したと発表した。これまで運用してきた「Jグランツ1.0」の使い勝手や事務局機能を改善し、さまざまな補助金申請に対応するとともに、コロナ禍において事業者の電子申請の利便性向上を目指すという。
経産省、コロナ禍の事業者を救うべくオンライン補助金申請システム「Jグランツ2.0」の提供を開始

機能改善により、事業者により多くの補助金活用を促す

経産省では、事業者の補助金申請手続を効率化するため、2019年12月より補助金申請システム「Jグランツ1.0」の運用を開始した。しかしこれまでのシステムでは、機能の制約などから掲載が難しい補助金が存在していた。また、従来の補助金申請は紙ベースの手続きが主流であり、大量の紙の申請や郵送などにより、作業の煩雑化が課題となっていた。

現在は世界的にも、補助金申請を含めて行政のデジタル化が進展している。さらに、コロナ禍における「新しい生活様式」への対応も急務といえよう。これらの状況をふまえ、経産省は公募から事業完了後までの手続きをオンラインで完結できる「Jグランツ2.0」を開発。この機能改善により、事業者にとってより利便性の高いシステムとなったという。「Jグランツ」の特徴は以下の通り。

・国および自治体の補助事業が掲載され、ワンストップで補助金情報を収集できる
・法人共通認証基盤(GビズID)の取得により、基本情報が自動入力されるため負担を軽減
・24時間365日、自宅や職場から申請が可能
・申請時の交通費や輸送費など、さまざまなコストを削減
・申請状況の可視化による手続きの迅速化


経産省では2021年度当初予算において、100超の補助金の活用を見込んで導入準備を進めているほか、各省や自治体の補助金の活用も推進するとしている。各補助金は公募準備が整い次第、Jグランツ上に順次掲載される予定だ。

なお、Jグランツの利用にあたっては、事業者が1つのアカウントで複数の行政サービスにアクセスできる認証システム「GビズID」を取得する必要がある。アカウントの取得には1~2週間の期間を要するため、計画的な取得が必要だ。

新型コロナウイルス感染症拡大は止まらず、再び緊急事態宣言も発令され、より苦しんでいる事業者も多いだろう。今回の新システム導入を機に、事業継続に向けて再度補助金の内容を確認し、オンライン申請してみてはいかがだろうか。

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