エヌエヌ生命保険株式会社は2020年9月17日、女性経営者を対象とした「社長業に関する意識調査」の結果を発表した。調査期間は2020年8月28日~9月1日で、日本全国の中小企業における女性経営者206名から回答を得た。これにより、女性経営者が感じる「男性社長との差」が明らかとなった。
4割弱の女性経営者が「男性社長よりも業務上不利だと感じる」と回答。一番のネックとなる部分とは

女性経営者の3割以上が男性社長との「差」を実感

女性経営者は、社長業に対してどのように感じているのだろうか。まず、「男性社長と比較して業務上不利に感じることはあるか」と尋ねると、「はい」が36.9%となり、3人に1人が何らかの不利を感じていることがわかった。
4割弱の女性経営者が「男性社長よりも業務上不利だと感じる」と回答。一番のネックとなる部分とは
上の設問で「業務上不利だと感じる」と回答した人に、その具体的な内容を尋ねると、「顧客との関係構築」が57.9%と最多に。次いで、「仕入先との関係構築」が36.8%、「金融機関との関係構築」が34.2%となった。フリーコメントでは、「女性とは相性が悪いという理不尽な理由で断られたことがある」、「電話や対面で社長の取次をお願いされる」、「社員になめられていると感じる」といった声もあがった。
4割弱の女性経営者が「男性社長よりも業務上不利だと感じる」と回答。一番のネックとなる部分とは

女性経営者がプライベートで不利だと感じることとは

「男性社長と比べて、プライベートで不利に感じることがあるか」という問いに対しては、「はい」が19.4%と、2割弱にとどまった。業務面と比較すると、プライベートのほうが不利を感じる割合は少ないようだ。
4割弱の女性経営者が「男性社長よりも業務上不利だと感じる」と回答。一番のネックとなる部分とは
上記で「はい」と回答した女性に、プライベートで不利だと感じる点を尋ねると、「家事」が67.5%と最も多く、次いで「地域活動・近所付き合い」が32.5%、「育児・子育て」が27.5%となった。社長業と家事・育児・地域活動との両立が必要なことについて、男性社長との差を感じていることがわかる。

フリーコメントでは、「家事全般があるため、仕事や接待などの時間が限られる」、「会合などで女性社長だというと距離を置かれる」といった声が寄せられた。
4割弱の女性経営者が「男性社長よりも業務上不利だと感じる」と回答。一番のネックとなる部分とは

不利を感じる一方、女性だからこそできる関係構築も

次に、「女性だからこそスムーズに進んだこと」について尋ねた。その結果、「顧客との関係構築」が39.3%と最も多く、「社員との関係性構築」が24.3%と続いた。フリーコメントでは「親しみやすいと言ってもらえることが多い」、「女性目線での提案が参考になると言われた」といった声があがっており、女性独自の柔らかさや視点により、関係性が築きやすくなると感じる人もいるようだ。
4割弱の女性経営者が「男性社長よりも業務上不利だと感じる」と回答。一番のネックとなる部分とは

ライフワークバランスの視点で働き方に関する制度を導入

最後に、「社長になって初めて導入した働き方に関する制度」を尋ねた。すると「時短勤務制度」が16.5%、「時差通勤制度」が11.7%、「テレワーク勤務制度」が10.7%という結果に。“プライベートとの両立や働きやすさ”といった視点で制度を導入していることが判明した。
4割弱の女性経営者が「男性社長よりも業務上不利だと感じる」と回答。一番のネックとなる部分とは
これまで、「女性だから」という理由で苦労した経営者もいるだろう。しかし、逆に「女性ならでは」の発想や働き方を提案していけるという強みもある。今後の女性経営者の活躍に期待したい。

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