大企業で働く40~50代社員のキャリア開発支援を行っている株式会社ライフワークスが2019年12月、「セルフ・キャリアドック構築支援」の提供開始を発表した。従業員1,000名以上の大企業に向けた普及加速化事業として、厚生労働省が推進している「セルフ・キャリアドック」について、導入への仕組み構築を支援する新たなサービスを展開していくという。
自律型人材の育成と社員の生産性向上を目指す「セルフ・キャリアドック」導入支援サービス、ライフワークスが提供開始

「自律型人材」の育成とともに必要とされる「セルフ・キャリアドック」

グローバル化やデジタル化が進んだことにより、近年は企業経営の変動性・不確実性が高まっている。既存のルールや成功法が通用しづらくなっている中、企業においては変化への柔軟な対応や変化の創出が可能な「自律型人材」育成が喫緊の課題といえる。また、人生100年時代を迎えた今、社員自身も新しい働き方や今後のキャリアデザインを自律して行う必要に迫られている。

ライフワークスは、ミドル・シニア社員を抱える企業が感じる最大の課題は、「自律型人材への転換」であると指摘。また、年功序列といった従来型の人事制度を有する日本の大企業では、65歳までの雇用義務化にともない、「従業員の就労期間延長」やそれに付帯して「総額人件費の増加」が懸念されるという。これまで大企業の多くは、新卒一括採用・年功序列の階層制度・終身雇用などの仕組みを導入し、同質性の高い人材が集まる組織をつくってきた。しかし現在となっては、こうした旧態依然の状況から速やかに変化していくことが急務となっているのである。

こうした流れのなか、「組織の活力、生産性向上」と「個人のキャリアの充実、働きがいの向上」の両立に取り組んでいる企業が注目しているのが「セルフ・キャリアドック」だ。セルフ・キャリアドックとは、企業が定める人材育成ビジョンに基づき、面談や研修などを組み合わせて体系的・定期的に従業員を支援し、主体的なキャリア形成を促進する取り組みのこと。2016年度に「キャリアコンサルタント」が国家資格化されたことにより、厚生労働省が、同年からこのセルフ・キャリアドックの推進に力を入れている。

実施にあたっては、キャリコンサルタント資格や「技能検定キャリアコンサルティング職種」の1・2級を有する人と同等の専門的知識が必要なため、企業からの支援ニーズが高まっている。
自律型人材の育成と社員の生産性向上を目指す「セルフ・キャリアドック」導入支援サービス、ライフワークスが提供開始

「セルフ・キャリアドック」導入支援サービスの概要とメリット

ライフワークスによる「セルフ・キャリアドック」導入支援サービスでは、「各企業における自律型人材の明確化」と「自律型人材育成の仕組み構築、従業員個々の課題把握、解決支援」、そして「組織課題の洗い出し、経営層への提言と解決に向けた施策立案の支援」を行うという。

セルフ・キャリアドックの導入により、企業側は、「人事制度や人材育成施策の方向性を考えるヒントを得ることができる」、「属性別にアプローチすることで、さまざまな課題が克服可能になる」といったメリットに期待を寄せている。一方、従業員側は「定期的なキャリアコンサルティングにより自らのキャリアプランを考えることができる」、「主体的な観点を持つことで仕事へのやりがいや向上心が高まる」といった効果が見込めるだろう。

セルフ・キャリアドックの導入をきっかけに、「自律型人材」の育成を図ることができれば、企業と従業員の双方に大きなメリットが期待できそうだ。
自律型人材の育成と社員の生産性向上を目指す「セルフ・キャリアドック」導入支援サービス、ライフワークスが提供開始

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