ミレニアル世代は「結婚・子どもをもつこと」を自由と捉える傾向に
近年は、国を挙げて女性活躍や男性育休取得に取り組んでおり、企業には、多様で柔軟な働き方を実現するための環境整備が求められている。そのような中、仕事や結婚、子育てに対する考えには、世代によってどのような違いがあるのだろうか。なお、本調査(2023年発表時点)における世代の定義は、米国ピュー・リサーチ・センターの定義に準じ、「Z世代(15~26歳)」、「ミレニアル世代(27~42歳)」、「X世代以上(43~64歳)」の3世代としている。
はじめに電通は、「結婚するかしないかは個人の自由だと思うか」(結婚から10年以上経つ人は、結婚した当時の考えについて)を尋ねた。すると、全体では「そう思う」が42%、「ややそう思う」が31.9%で、合計は73.9%だった。
世代別に見ると、「そう思う」とした「Z世代」は46.1%、「ミレニアル世代」は49.4%、「X世代以上」は36.4%だった。X世代以上の数値が最も低く、ミレニアル世代とは差がついた。
世代別に見ると、「そう思う」と回答した「Z世代」は42%、「ミレニアル世代」は43.9%、「X世代以上」は33.7%で、こちらもX世代以上が最も低いことが明らかとなった。
若い世代ほど「転職に肯定的」、「雇用形態を問わない」との回答が多く
続いて同社は、「20~30代の就職に関する考え方」(該当年齢でない人は、自身がかつてどうだったか/今後どうなりたいかについて)の調査を行った。まず、「転職は自分の人生をよくするための手段であると思うか」を尋ねると、全体では「そう思う」(13.4%)と「ややそう思う」(34.8%)の合計は48.2%だった。世代別に見ると、「Z世代」は同合計が54.6%で最も多かった。以下、「ミレニアル世代」が52.8%、「X世代以上」が43.4%と続き、若い世代ほど「転職は自分の人生をよくするための手段」と考える人が多いことが示された。
世代別では、「Z世代」の合計が38.7%で最も多く、以下、「ミレニアル世代」が34.5%、「X世代以上」が24.8%と続いた。こちらも転職に関する意識と同様に、若い世代のほうが「非正規雇用でもよい」と考える人が多い傾向にあるとうかがえる。
Z世代の6割以上が「産休・育休制度が整備された職場」を望む
続いて同社は、「産休や育休の制度がしっかりしている職場で働きたいか」(現在働いていない/育児をしていない人は、自身がかつてどうだったか/今後どうなりたいかについて)を尋ねた。その結果、全体では「そう思う」(21.2%)と「ややそう思う」(32.3%)の合計は53.5%だった。世代別では、「Z世代」の合計が64.4%で最も多かった。以下、「ミレニアル世代」が52.3%、「X世代以上」が50.6%と続いた。特にZ世代は全体よりも10.9ポイント高く、産休や育休の制度が充実している職場を望む傾向が強いと見て取れる。
X世代以上は「結婚」と「子どもをもつこと」の結びつきを強く感じている傾向に
さらに同社は、「結婚したならば、子どもをもつほうがよいか」(結婚から10年以上経つ人は、結婚した当時の考えについて)を尋ねた。その結果、全体では「そう思う」(10.8%)と「ややそう思う」(24%)の合計は34.8%だった。世代別に見ると、最も多かったのは「X世代以上」で39.3%だった。以下、「ミレニアル世代」が31.2%、「Z世代」が27.1%と続いた。ミレニアル世代・Z世代がともに3割程度であるのに対し、X世代以上は4割に迫り、世代による考えの違いが浮き彫りになった。
世代別に見ると、「X世代以上」の合計が53.1%と最も多かった。以下、「ミレニアル世代」が49.1%、「Z世代」が46.1%と続いた。結婚観や子どもをもつことについての考えも、世代によって異なることがわかった。