評価方法は「MBO(目標管理制度)」での実施が最多に
人事評価を「年功序列」から「成果主義」へシフトする動きもあり、近年では多くの企業でさまざまな種類の人事評価制度が導入されている。上半期の人事評価が行われる時期に、社会人は会社からの評価に対してどのような意識を持つのだろうか。はじめにライボが「人事評価制度の有無」を尋ねると、「ある」が8割超、「ない」が2割未満だったという。
そこで、「評価制度がある」とした回答者に「どのような評価方法で評価されているか」を尋ねると、「MBO(目標管理制度)」が36%で最も多かった。以下、「コンピテンシー評価」が23%、「ミッショングレード制度(役割等級制度)」が21.2%、「360度評価(多面評価)」が15.4%と続いた。
会社からの評価に「不満を感じている」人は7割を超える
続いて同社は、「会社からの評価に不満を感じたことはあるか」を尋ねた。すると、「とても感じている」(23.2%)、「やや感じている」(23.4%)、「どちらかといえば感じている」(28.6%)の合計は75.2%で、7割以上が不満を感じていることがわかった。また、評価制度別に同合計(「不満を感じている」の計)を集計したところ、「360度評価」が77%と最も多かった。以下、「MBO」が76%、「ミッショングレード制度」が75.5%、「コンピテンシー評価」が74.7%と続いた。
あわせて、評価に関する意見を自由回答で求めたところ、「評価する人の能力が低いと⾃分が正しく評価されている気がしないので不安と不満が募る」、「上司の知らぬところで他の人へ迷惑をかける人が自分よりも評価が高いことを知ってがっかり」、「正直上司から好かれているかも大事なので、成果を上げるだけでは評価されない気がしています」など、評価制度や上司からの評価に対する不満の声が聞かれたという。
評価による「モチベーション低下」の経験は8割以上に
続いて同社は、全体に対して「評価によりモチベーションが下がった経験があるか」を尋ねた。その結果、「とてもある」(28.5%)、「ある」(27.3%)、「どちらかといえばある」(22.9%)の合計は78.7%と、8割に迫った。また、モチベーションが下がった経験があるとした回答者にその理由を尋ねると、「成果と報酬が見合っていなかったから」(51.3%)が最多だった。以下、「評価の基準が不透明だったから」(45.6%)、「上司が自分をちゃんと見てくれていないと思ったから」(38.5%)となった。
評価により転職を考えた経験は7割以上。うち実際に転職した人は約半数に
続いて同社が「評価によって転職を考えた経験があるか」を尋ねたところ、「とてもある」(24.8%)、「ある」(23.9%)、「どちらかといえばある」(23.1%)の合計は71.8%と、7割を超えた。さらに、転職を考えた経験があるとした回答者に、「実際に転職をしたか」を尋ねたところ、「転職した」は48.9%と半数に迫った。また、「転職を検討している」は19.5%と、約2割が転職意向を持っていることも明らかとなった。
6割超が会社の評価に期待。「年収アップ・キャリアアップ」を望む多くの声
続いて同社は、「今後の会社の評価に期待するか」を尋ねた。その結果、「とても期待している」(9.2%)、「期待している」(18.6%)、「どちらかといえば期待している」(33.6%)の合計は61.4%と、今後の評価に期待する人は6割に達することがわかった。あわせて、「どのような評価を期待するか」を尋ねたところ、「年収が上がること」が71.6%で最も多かった。以下、「キャリアアップにつながること」が32.1%、「承認欲求が満たされること」が27.3%と続いた。
約6割が将来のキャリアを見据えて「実績づくり」や「資格取得」等の準備をしている
最後に同社は、「自身の将来のキャリアのために準備をしているか」を聞いた。その結果、「とても準備している」(19.1%)、「準備している」(15.6%)、「どちらかといえば準備している」(25.7%)の合計は60.4%と、準備をしている人は6割を超えた。「準備をしている」と回答した人に「具体的な準備の内容」を尋ねたところ、「専門分野での実績を作る」(45.9%)が最も多かった。以下、「専門分野と関連する資格を取る」(37.6%)、「専門分野の本を読む」(36.5%)と続き、専門分野に関連した準備を進める人が多いことがわかった。