経済産業省は2023年10月2日、「リスキル講座(第四次産業革命スキル習得講座)認定制度」の第13回申請受付を同日より開始すると発表した。同制度は、IT・データ分野を中心とした教育訓練講座について経済産業大臣が認定するものだ。これにより同省は、DXを推進する人材に求められる知識やスキルを習得できる専門的かつ実践的な教育訓練講座を認定・奨励することを通じて、DXを推進する人材の育成や社会人のリスキリング促進などを図りたい考えだ。

「Reスキル認定制度」2024年4月開講の申請受付を経産省が開始。厚労省の「人材開発支援助成金」と連携しリスキリング促進

IT分野を対象に、専門的・実践的な教育訓練講座を認定

「リスキル講座(第四次産業革命スキル習得講座)認定制度」は、IT・データを中心とした、将来の成長が強く見込まれ、雇用創出に貢献する分野において、社会人が高度な専門性を身に付けてキャリアアップを図る、専門的・実践的な教育訓練講座を経済産業大臣が認定する制度だ。今回、2024年に本制度の認定適用を希望する講座に対する第13回申請受付を開始した。申請受付の対象や要件の概要は以下の通り。

なお、認定対象分野(基礎・初級のITスキルは除く)は、下記の分野における社会人向けの講座となる。

<認定対象分野>
【◎IT分野】
●AI・IoT・データサイエンス・クラウド(デザイン思考、アジャイル開発などの新たな開発手法との組み合わせを含む)
●高度なセキュリティやネットワーク
●DX推進(ビジネスアーキテクト・デザイナー・データサイエンティスト・ソフトウェアエンジニア・サイバーセキュリティ)

【◎IT利活用分野】
●自動車モデルベース開発
●自動運転
●生産システムデジタル設計

また、本制度により認定する教育訓練講座は、主に下記の要件を満たすものとしている(認定要件の詳細については、同制度の実施要項に記載)。

<教育訓練講座の要件>
●対象とする職業の種類や身に付けることができる能力を公開していること
●必要な実務知識・技術・技能を習得できること
●実習・実技・演習または発表等が含まれる実践的な講座がカリキュラムの半分以上を占めていること
●審査・試験等により訓練の成果を評価していること
●eラーニング等社会人が受けやすい工夫をしていること
●事後評価の仕組みを構築していること 等

<実施機関の要件>
●講座の開講実績や財務状況等を踏まえ、継続的・安定的に遂行できること
●組織体制や設備、講師等を有していること
●欠格要件等に該当しないこと 等

なお、経済産業大臣が認定した教育訓練講座のうち、厚生労働省が定める一定の要件を満たし、厚生労働大臣が指定した講座は、「教育訓練給付制度(専門実践教育訓練)」の対象となるとのことだ。

<申請受付期間>
●2023年10月2日(月)~11月2日(木)

申請は、上記期間内に「第四次産業革命スキル習得講座認定申請受付担当」宛に必要書類をメールで提出する。

DX推進人材の育成・社会人のリスキリング促進のため、対象分野を拡充

本認定制度においては、DX人材に求められる知識やスキルを習得できる専門的・実践的な教育訓練講座を認定および奨励することを通じ、DXを推進する人材の育成や社会人のリスキリングの促進等を図ることを目的としている。今回、それらを達成するために必要な知識やスキル、役割などを示す「DX推進スキル標準」に基づき、認定講座の対象分野を拡充した。

IT分野の講座を申請する場合は、認定講座の対象分野に新しく追加した「IT分野(DX推進)」または既存の「DX推進以外のIT分野」のいずれかを選択し、申請ができるという。
認定講座の対象分野の拡充に伴う申請実務の変更点、技術的審査における留意点等は、以下のページから確認できる。



データ活用やデジタル技術の進化により、企業が競争上の優位性を確立するためには、DXの素養や専門性を持った人材の育成が不可欠だと言える。従業員のリスキリングを推進したい企業では、こうした認定制度の活用も視野に入れてみてはいかがだろうか。





この記事にリアクションをお願いします!