大企業では約6割が「勤務先選定でリスキリング等制度の有無が重要」と回答
リスキリングに取り組む企業や個人が増えつつある。転職活動者の企業選びにおいて、企業のリスキリング支援や研修制度の有無は、どの程度重要視されているのだろうか。はじめにミイダスは、「転職活動など勤務先を選定する上で、リスキリング・教育・研修制度の有無は重要なポイントになるか」を尋ねた。すると、大企業社員では「非常にそう思う」が17.1%、「ややそう思う」が41.5%で、「そう思う」の合計は57.6%と約6割に及んだ。一方で中小企業社員では、「非常にそう思う」が10.4%、「ややそう思う」が34.4%で、同合計が44.8%となった。転職活動における、企業のリスキリング等の実施有無に対する重視度は、中小企業社員より大企業社員の方が13.9ポイント高い結果となった。
大企業社員は「自己成長の環境」、中小企業社員は「従業員の成長支援」が重要か
次に同社は、「勤務先を選ぶ上で、リスキリング・教育・研修制度の有無が重要なポイントとなる」とした回答者に、「その理由」を尋ねた。その結果、大企業社員では「自身の成長が期待できる環境だと感じるから」が56.1%と最も多く、以下、「従業員の成長を支援している企業だと思うから」が47.6%、「企業全体として成長していきそうだと思うから」が35.1%と続いた。また、中小企業社員では、「従業員の成長を支援している企業だと思うから」が50.4%と最も多く、「自身の成長が期待できる環境だと感じるから」が45.3%、「企業全体として成長していきそうだと思うから」が29.5%と続いた。大企業社員と中小企業社員では、重視するポイントがやや異なる傾向にあることがわかった。
大企業社員の約6割、中小企業社員の約5割が、研修制度等で「長期就業につながる」
続いて同社は、全体に向けて「就業先にリスキリング・教育・研修制度があることは、その企業で長く働きたいという考えにつながるか」を尋ねた。すると、大企業では「非常にそう思う」(15.8%)と、「ややそう思う」(46.5%)の合計は62.3%と6割を超えた。一方で、中小企業社員では「非常にそう思う」(11.9%)と、「ややそう思う」(35.9%)の合計は47.8%と約5割だった。
長期就業につながる理由は企業規模問わず「長期的なスキルアップへの期待」が最多に
そこで同社は、「就業先にリスキリング・教育・研修制度等があることが、その企業で長く働くことにつながると思う」とした回答者に、「その理由」を尋ねた。その結果、大企業社員では「長期的なスキルアップが期待できそうだから」が64%、「成長し続けられる環境だと思うから」が45.7%、「仕事に対するモチベーションを維持できそうだから」が42.1%と続いた。一方、中小企業社員では「長期的なスキルアップが期待できそうだから」が65.8%、「成長し続けられる環境だと思うから」が53%、「社員を大切にしている会社だと感じるから」が38.9%と続いた。企業規模を問わず、リスキリングや研修制度により長期的なスキルアップや成長し続けられる環境が、人材定着につながるといえそうだ。
大企業社員の6割以上、中小企業社員の5割以上が「就業先の制度を活用したい」と回答
次に同社は、「就業先にリスキリング・教育・研修制度があれば活用したいか」を尋ねた。すると、大企業社員では「非常にそう思う」(19.9%)と、「ややそう思う」(46.2%)の合計が66.1%と、6割を超えた。また、中小企業社員では「非常にそう思う」(15%)と、「ややそう思う」(41.7%)の合計が56.7%と、5割にのぼった。
活用したい理由は企業規模問わず「キャリアアップにつなげたい」が最多
最後に同社は、「就業先に研修制度等があれば活用したい」とした回答者に、「その理由」を尋ねた。その結果、大企業社員では「キャリアアップにつなげたいから」が53.6%と最も多く、以下、「仕事の幅を広げたいから」が50.7%、「自分の市場価値を高めたいから」が42.6%と続いた。一方で、中小企業社員では「キャリアアップにつなげたいから」、「仕事の幅を広げたいから」がいずれも49.7%で、次いで「現状のスキルに自信がないから」が44.6%だった。大企業では上位2つが5割を超えていることから、大企業社員は中小企業社員に比べて、キャリアアップや仕事幅の拡大を目指す傾向が強いといえるだろう。