HRプロとは株式会社i-plugは2023年5月25日、「夏季インターンシップに関する調査」の結果を発表した。調査期間は2023年5月11日～13日で、2025年卒業予定の学生（以下、25卒生）488名と、新卒採用を実施する企業294名より回答を得た。これにより、学生の夏季インターンシップへの参加意向や、企業側の事前選考と本選考の合否との関連性などが明らかとなった。
夏季インターンシップに「不参加」とした学生は1割に満たず
6月に入り、インターンシップの参加受付を開始した企業も多い中、「夏季インターンシップ」に参加意向のある25卒生はどの程度いるのだろうか。はじめにi-plugは、「夏季インターンシップに参加する予定はあるか」を尋ねた。すると、「はい」が93.9％、「いいえ」が6.1％で、9割以上の学生が夏季インターンシップに参加予定であることがわかった。
夏季インターシップに参加したい日数は「2～4日」が最多に
次に同社は、前設問で「参加予定」とした学生を対象に、「参加したい夏季インターンシップの日数の希望はあるか」を尋ねた。その結果、「2～4日」が41.3％と最も多く、以下、「1～2週間程度」が21.2％、「1日」が20.7％と続いた。
約6割の学生が、夏季インターンシップ選考の合否は「本選考に影響しない」と回答
続いて同社は、「夏季インターンシップの事前選考で不合格になった場合、本選考を受ける予定はあるか」を尋ねた。その結果、「本選考も受ける」が59％、「未定」が34.5％、「本選考を受けない」が6.6％だった。約6割が「本選考も受ける」と回答していることから、夏季インターンシップでの事前選考の合否が本選考に対する志望度に「影響しない」と考えている学生が多いようだ。
企業側の約4割が夏季インターンシップ選考の合否は「本選考に影響がない」と回答
政府では2023年4月より、インターンシップで得られた学生情報を採用活動開始後に活用できる“採用直結型インターンシップ”を可能としている。そこで同社は、企業を対象に「夏季インターンシップの事前選考で不合格となった場合、本選考の合否に影響があるか」を尋ねた。すると、「ない」が39.8％、「未定」が36.4％だった。対して、「ある」とした企業は23.9％と、“採用直結型インターンシップ”が可能となったものの、インターンシップの選考が本選考に影響するとした企業は2割程度にとどまることがわかった。しかし、2022年6月に行った同様の調査と比較すると、「本選考の合否に影響しない」とした企業は67.8％から39.8％に減少した。このことから、“採用直結型インターンシップ”が可能となったことで、本選考の実施方法を探っている様子がうかがえる。
学生が望むインターンシップの開催形式は「オンラインと対面」のハイブリットが多数
次に同社が、学生を対象に「夏季インターンシップの希望する開催形式はあるか」を尋ねたところ、「オンラインと対面」が62.7％と最も多かった。「対面」は29.5％、「オンライン」は7.9％にとどまり、オンラインと対面を組み合わせた就活を望む学生が多いことがわかった。
実際の夏季インターンシップの開催方法は「オンラインと対面」と「対面のみ」が拮抗
最後に同社は、企業を対象に「開催する夏季インターンシップの開催方法」を尋ねた。すると、「オンラインと対面」が42.5％と、4割程度の企業がオンラインを活用しながら採用活動を進めていることがわかった。また、「対面」も42.2％でほぼ同率で並び、新型コロナウイルス感染症の位置付けが5類へ移行したことを背景に、対面形式に戻しつつある傾向も見て取れた。
本調査結果から、夏季インターンシップに「参加予定」とした25卒生は9割にのぼった。また、夏季インターンシップの事前選考で「不合格になった場合も本選考を受ける」とした学生は6割に迫り、本選考への志望度に影響しないことがわかった。一方の企業側では、“採用直結型インターンシップ”が可能となったものの、事前選考の合否が本選考の合否に「影響しない」との回答は約4割となり、インターンシップと採用の関連づけを模索している様子がうかがえる。他社の動向にも注視しながら、インターンシップの実施方法や選考について検討を重ねていきたい。
