「労働環境」を重視する就活生は約6割。企業選びに「オフィスを重要視」は8割超え
新型コロナウイルス感染症流行にともなう制限も緩和されつつあり、今後企業ではオフィスへの出社の機会も増えると考えられる。そうした中、就活生はオフィス環境をどの程度重視して企業選びをしているのだろうか。はじめに、アーバンプランが就活生を対象に「労働環境と労働条件のどちらを重視しているか」を尋ねた。すると、「労働環境」は59.2%、「労働条件」は40.8%だった。労働条件よりも環境を重視する学生のほうが多いようだ。
また、「オフィスは企業選びにおいて重要視しているか」を尋ねると、「かなり重要視している」(30.3%)と、「少し重要視している」(55.3%)の合計は85.6%と、8割以上の就活者が、企業選びの際にオフィス環境を重要視していることがわかった。
一方で、「重要視していない」とした就活生からは、「オフィスよりも働く人のほうが重要であると感じたため」や「仕事内容を優先したい」などの声が寄せられており、「オフィス環境によりモチベーションが左右される」とする意見が多くみられた。また、「通勤に時間をかけたくないから」や「仕事終わりに寄り道ができるから」など、立地を重要視していると考えられる意見も聞かれたという。
特に重要視するのは「オフィスの利便性」で6割に
次に同社は、「オフィス環境において、特に重要視している点」を尋ねた。その結果、「利便性」(60%)が最も多く、以下、「個人スペースの有無」(46.3%)、「リフレッシュスペースの有無」(35.1%)と続いた。魅力的なオフィスは「志望度に影響する」が9割を超える
続いて同社は、「オフィス環境が魅力的だと思えたら志望度は上がるか」を尋ねた。すると、「かなり上がる」(41.4%)と、「少し上がる」(53.3%)の合計は94.7%と、9割を超えた。オフィス環境の魅力は、就活生の志望度に大きく影響することが示唆された。オフィス環境に注力する企業は約9割に。自社の魅力は「個人スペースの充実」が最多
次に同社は、企業の人事担当者に対し「自社はオフィス環境に力を入れているか」を尋ねた。その結果、「かなり力を入れている」(45.5%)と、「少し力を入れている」(43.5%)は、合わせて89%と9割に迫った。そこで、「力を入れている」との回答者に、「自社のオフィス環境の魅力」を尋ねた。すると、「個人スペースの充実」(40.5%)が最も多く、「デザイン性」(39.8%)と「会議室の数」(39.2%)が僅差で続いた。仕事に集中できる環境を重視しつつも、機能面やデザイン面にも力を入れている様子がうかがえる。
9割超が「オフィス環境は入社志望度に影響する」と認識。8割以上が見直す意向か
最後に同社は、「オフィス環境は学生の入社志望度に影響すると思うか」を尋ねた。その結果、「かなり影響すると思う」(44.3%)と、「少し影響すると思う」(47.1%)の合計は91.4%と、9割以上が何らかの影響を与えると感じていることがわかった。実際に人事担当者が、オフィスを見た学生から受けた声を聞くと、「本社の建物が古く、老朽化が目立つ」や「リフレッシュスペースがない」との指摘があったという。一方、ポジティブな意見として「個別ブースが多くある点が評価できる」や「壁や衝立が少ないのでさまざまな部署や人の動きが見えやすそう」のほか、固定席をもたない“フリーアドレス”が進んでいることを前向きに捉える声も寄せられたとのことだ。
また最後に、「今後オフィス環境を見直す予定はあるか」を尋ねたところ、「ある」は81.1%と8割を超えた。多くの企業が、今後オフィス環境を見直す意向を持っていることがわかった。