「タイムパフォーマンス」(タイパ)とは、投資した“時間対効果”を表す。「三省堂 辞書を編む人が選ぶ『今年の新語2022』」で大賞を受賞した新しい言葉となる。株式会社学情は2023年3月3日に、20代の仕事観や働く意識を探るべく「タイムパフォーマンス」(以下、タイパ)に関する結果を発表した。調査期間は2023年1月31日~2月14日で、20代の社会人529名より回答を得た。
転職活動の「タイパ」を意識する20代が約6割。企業の生産性向上への取り組み姿勢は“志望度”にも影響

6割以上が普段の生活において「タイパ」を意識

20代を中心とするZ世代は、SNS等で大量の情報に触れており「最小の労力で最大の成果を得る」ことを重視するといわれている。では、転職活動においても「タイパ」が意識されているのだろうか。はじめに学情は、「普段の生活の中で『タイパ』を意識するか」を尋ねた。すると、「意識する」(22.9%)と「どちらかと言えば意識する」(42.3%)は、合わせて6割にのぼった。

自由回答からは、「効率よく予定を入れるようにしている」や「仕事をしていると自由に使える時間は限られているので、限られた時間を有効活用したい」という声が聞かれたという。他方で、「時間を気にせずリラックスする時間ももちたい」、「家族や友だちと過ごす時間や趣味など、自分にとって大切な時間は効率重視ではなく時間をかけたい」といった意見もあり、普段の生活において、効率だけではなく過ごした時間の満足度も意識していることが示唆された。
普段の生活の中でタイパを意識しているか

5割超が転職活動においても「タイパ」を意識

次に同社は、「転職活動の中でタイパを意識するか」を尋ねた。その結果、「意識する」(19.7%)と、「どちらかと言えば意識する」(33.8%)の合計は53.5%と、半数を超えた。

自由回答には、「志望度の高い企業に絞って選考を受けるようにしている」や「選考を受けている企業の選考ステップ(書類選考・一次面接など)が同時期になるように調整している」などの声が寄せられたという。
転職活動の中でタイパを意識するか

約6割は転職検討先の「生産性」にも注目

続いて同社は、「転職活動において企業の『生産性』や『生産性を高める取り組み』を意識するか」を尋ねた。すると、「意識する」(18.1%)と「どちらかと言えば意識する」(38.8%)の合計は、56.9%と6割に迫った。

自由回答では、「自身の生産性も高めていきたい」や「生産性の高い企業のほうが付加価値を生み出すことができ、成長力が高いと思う」などの声があがったという。
転職活動において企業の生産性を意識するか

企業の「生産性向上への取り組み」で志望度が上がる人が6割超

最後に同社は、「転職活動において、企業が『生産性向上』に取り組んでいることがわかると志望度が上がるか」を尋ねた。その結果、「志望度が上がる」(20%)と、「どちらかと言えば志望度が上がる」(44.4%)は、合わせて64.4%と6割にのぼった。

自由回答には、「本質的で価値を生み出す業務に時間を割きたい」や「効率的に仕事をすることができれば、自己研鑽のための時間も確保できると思う」などの声が寄せられたという。
転職活動において企業が生産性向上に取り組んでいると志望度は上がるか
調査結果から、転職活動でタイパを意識する20代社会人は半数にのぼり、「志望度の高い企業に絞って選考を受けるようにしている」など、効率性を重視している人もいることがわかった。こうした若年層の特性を踏まえると、企業から「生産性を高めるための取り組み」について発信していくことは、人材獲得の面で有効に働きそうだ。

この記事にリアクションをお願いします!