企業向けコンテンツページを作成し、具体的なハラスメント防止対策を周知
「就活ハラスメント」とは、「就職活動中やインターンシップ中の学生等に対するセクシュアルハラスメントやパワーハラスメント」のことで、立場の弱い学生等の尊厳や人格を不当に傷つける行為として問題視されている。しかし、厚生労働省(以下、厚労省)が行った「令和2年度職場のハラスメントに関する実態調査報告書」によると、約4人に1人が就活ハラスメントの被害に遭っていることが明らかになった。また、厚労省では、「就活ハラスメントは、企業にとっても社会的信用の低下やそれに伴う応募の減少、従業員の働く意欲の低下による生産性の悪影響に至るなど、さまざまなリスクが生じる重大な問題である」と考えている。これを踏まえて同省は、労働施策総合推進法等で、2020年6月より職場におけるハラスメント防止対策を強化し、就活生へのハラスメントに対しても「ハラスメントを行ってはならない旨の方針を明確化する」など、防止措置として望ましい取り組みを明記した。さらに今回、同省では就活ハラスメント防止対策として「就活ハラスメント防止対策企業事例集」を作成し、10社の具体的な取り組み例を記載した。これにより、今後対策を始めようと考えている企業や、より踏み込んだ対策を講じようと考えている企業に活用してほしいとのことだ。
また、同省が運営するポータルサイト「あかるい職場応援団」では、学生向け・企業向けにも就活ハラスメント防止について紹介したコンテンツページも設けている。企業向けのページには、ハラスメントが発生した際のフローについても記載している。
職場におけるハラスメント防止対策の強化に伴い、人事部でも相談窓口の設置や定期調査を設けるなど、具体的な対策を講じる企業も増えている。一方で、より踏み込んだ対策の作成に悩む企業もあるだろう。こうした事例集を参考に自社への周知も行い、採用活動における就活生へのハラスメントの根絶を目指したい。