株式会社学情は2023年3月28日、「2024年卒の採用状況」に関するアンケートの中から、「インターンシップ」についての結果を発表した。調査期間は2023年1月5日~31日で、全国の企業および団体の採用担当者1,862名より回答を得た。これにより、企業の2024年卒インターンシップの実施状況とともに、前年からの変化が明らかとなった。
24卒のインターンシップは「3年の夏・秋」開催が増加し、新卒採用早期化の傾向に。実施回数を「増やした」企業は半数に迫る

インターンシップの実施時期は「3年生の夏や秋」が増加。前年と比べ早期化か

近年、学生の就職活動が早期化する傾向にあるが、2024年卒の学生(以下、24卒)は、前年の23卒と比べてインターンシップの実施状況に変化はあったのだろうか。

はじめに学情は、オンラインと対面の2形式に分けて「インターンシップの実施時期」を尋ねた。「オンライン形式」で23卒採用と比べて特に増加したのは、「3年生の7~9月」(+1.6ポイント)と「3年生の10月~11月」(+3.2ポイント)だった。一方で減少したのは、「3年生の12月~1月」(-4.2ポイント)と「3年生の2月」(-5.3ポイント)だった。

また、「対面形式」で23卒採用と比べて特に増加したのは、「3年生の7~9月」(+9.1ポイント)と「3年生の10月~11月」(+6.1ポイント)だった。一方で減少したのは、「3年生の12月~1月」(-1ポイント)と「3年生の2月」(-2.5ポイント)だった。

いずれの開催形式を見ても、24卒のインターンシップは「3年生の夏や秋」に実施した企業が増加した。一方で、「12月以降」に開催した企業の割合は減少しており、「より早い時期に学生との接点を持ちたい」という企業の意向がうかがえる結果となった。
オンライン形式/対面形式のインターン実施時期

インターンシップの実施企業は前年比2ポイント増加。上場有無で実施状況に差があり

次に同社は、「インターンシップの実施の有無」を尋ねた。すると、「実施している」は61.7%と、前年比2ポイント増となった。
24卒/23卒のインターンシップ実施の有無
また、前設問の実施企業を「上場有無」で比較すると、上場企業では「実施している」が80.8%、非上場企業では58.6%と、大きく差が開いた。同社は、「予算や人手をやり繰りしやすい上場企業の方がインターンシップを実施しやすい状況にある」との見解を示している。
上場/非上場企業のインターンシップ実施の有無

約半数がインターンの実施回数を前年から「増やした」と回答。「前年並み」を上回る

続いて同社は、「前年度と比べて、インターンシップの実施回数に変化はあるか」を尋ねた。その結果、「増やした(増やす予定)」は48.4%と約半数を占め、「前年並み」の45.6%を上回った。一方で、「減らした(減らす予定)」とした企業は6.1%だった。
インターンの実施回数の前年度比

インターンシップと採用の連携については「参加者は通常選考で優遇」が最多に

最後に、「インターンシップと採用の連携の有無」を尋ねると、「インターン参加者は通常選考で優遇する」(36.5%)が最も多かった。23卒に関する同調査で最多だった、「通常選考で優遇まではしないが、インターン参加者限定の情報提供やセミナー等を実施している」を上回った。このことから同社は、「インターンシップ実施を実質的に採用活動と連動させる動きが広がっている」と推察している。
インターンシップと採用の連携の有無
調査結果から、24卒のインターンシップの実施時期は「3年生の夏や秋」が前年より増加しており、早期化の傾向にあることがわかった。政府では、「25卒生からインターンシップ等のキャリア形成支援にかかる取り組みで、学生情報を採用選考活動に使用できる」と示していることから、今後インターンシップの重要性はより高まっていくと予測される。社会の動きにも注視しながら、自社のインターンシップの実施方針を検討していきたい。

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