「DXの取り組みの成果」への満足度は3割に満たず
経済産業省が主導して企業のDX化が推進されている今、大企業での取り組み状況やその満足度はどのようになっているのだろうか。はじめにGNUSは、自社について「DXの成果を測る段階にない」とした113名を除いた回答者に対し、「DXの取り組みの成果として最も近いもの」を尋ねた。その結果、「十分に満足」はわずか6%にとどまり、「やや満足」の21%と合わせても27%と、3割に満たなかった。成果に満足している層は「具体的なプロダクト・サービスの具体化」を重要視
次に同社は、「DXに取り組む上で、プロダクト・サービスや顧客体験の具体化はどれほど重要だと考えるか」を尋ね、前設問の回答と照らし合わせた。すると、前設問で「十分に満足」とした回答者のうち、58%が「重要」と答えた。同じく「重要」と答えた割合について、前設問で「やや満足」とした人では28%、「やや不足」は26%、「明らかに不足」は22%と、DXの成果を実感しきれていない層はいずれも3割以下となり、効果を実感できている層との意識差が示唆された。
重要視するのは「ユーザー理解」、「アジャイルの採用」、「体制構築」など
続いて同社は、「DXの取り組みとして経験したことのある業務を行う中で、重視すべきだと感じる点とその重要度」を尋ね、「DXの成果への満足度」の結果とクロス集計した。その結果、DXの成果が「十分に満足」とした企業では、「ユーザー理解のための取り組み」、「アジャイルプロセスの採用」、「必要なスキルを持った人材での体制構築」の回答率が約6割~7割となり、他の層より突出して高かった。対して、DXの成果を実感しきれていない層では、上記3項目の回答率がいずれも約1割~3割程度であり、DXの成果に満足している層との差が顕著だった。