学生の8割が、最終面接は「対面実施」を希望
新型コロナウイルス感染症拡大以降、オンラインを活用した採用活動が一般的となった。では、学生側は、どのように企業と就職活動で関わることを望んでいるのだろうか。リクルートマネジメントソリューションズは、「就職活動のフェーズ(9つ)ごとに、対面実施とオンライン実施のどちらを望むか」と尋ねた。「オンライン」もしくは「どちらかといえばオンライン」と回答した人が多かったのは、1位が「合同説明会」で計62%、2位が「会社説明会」で計63.6%、3位が「一次面接」で計60.5%だった。初期段階の活動は、オンライン実施を望む学生が多いとわかる。一方で、「対面」もしくは「どちらかといえば対面」を選んだ人の合計が多かったのは、1位が「最終面接」(80.4%)で、2位が「3次面接以降~最終面接前」(70.7%)、3位が「インターンシップ」(64.9%)となった。
この結果について同社は、「働くイメージをもつための機会や自身をきちんと知ってもらいたいと思う局面では、対面が望ましいと考える学生が多いようだ」との見解を示した。
「面接経験はオンラインのみ」は2割未満。最終面接に近づくほど「対面形式」が増加
次に、「就職活動のフェーズごとに、実際に経験したことのある実施形態」を尋ねた。「WEBのみ経験あり」と答えた人が少なかったのは、「3次面接以降~最終面接前」の18.1%と、「最終面接」の17.2%で、これらの過程では23卒生の8割以上が対面実施も経験していたことがわかる。また、面接過程が進むほど「WEBのみ」の割合が減少していることも図表から見て取れる。さらに、この結果を前年比(22卒)で見てみると、23卒は全ての面接過程で「WEBのみ」という割合が減少している。特に前年と差が大きかったのは「3次面接以降~最終面接前」で、22卒が26.4%だったのに対し、23卒は18.1%と、8.3ポイント減少した。
2割が「志望度が最も高まった場面は面接」と回答。「先輩社員との接触」も上位に
続いて、「就職予定もしくは就職する可能性が最も高い会社の就職活動で、どの選考過程で最も志望度が高まったか」を尋ね、同社が持つ17卒以降の結果と経年比較した。まず、23卒生が最も影響が大きいと答えたのは「面接」で21.8%が回答。「面接」については、17卒生以降いずれの年も2割程度の回答が集まっている。また、「先輩社員との接触」は23卒では15.7%と、コロナ禍前の20卒の結果(15.5%)と同水準まで復活した。このことについて、同社は「対面での採用活動を行う企業が再び増えてきたことも影響しているのではないか」と考察している。
内定承諾の理由は「希望キャリアの形成」に関わるものが上位に
次に同社は、「入社を決めた企業の内定または内々定を承諾した理由として、最も重要だったもの」を尋ね、過去の20卒以降の結果と経年比較してまとめた。すると、23卒では「自分のやりたい仕事(職種)ができる」(15.6%)と「希望の勤務地に就ける可能性が高い」(11.6%)の割合が、過去と比べ最高値となった。そのほかの項目では「育成に力を入れている」や「入社後のキャリアを具体的にイメージできる」の選択率も伸びていることがわかった。一方で、「社員や社風が魅力的である」や「福利厚生や給与など制度や待遇が魅力的である」、「業績が安定している」といった項目は、毎年上位にあがっているものの、選択率が減少傾向にあった。これを受け、同社は「学生が会社に就く“就社”という考えよりも、職に就く“就職”の意識が高まってきているのではないか」との見解を示している。
約6割が“企業からのフィードバック”を就活中に受け、うち7割が歓迎
最後に、「就職活動をする中で、企業から自身の印象や評価を伝えられた(フィードバックを受けた)経験があるか」を尋ねると、約6割が「ある」(58%)と回答した。さらに、「採用担当者や社員から、フィードバックを受けることはどのような印象か」と尋ねると、「良い印象」が25.9%で、「どちらかといえばよい印象」が44.8%となり、合計すると70.7%となった。7割もの学生が「企業からのフィードバック」を好意的に受け止めていることがわかった。