7割のスタートアップ企業が副業を認可。大企業でも4割に
現在、政府では「働き方改革実行計画」において、副業や兼業の普及を図る方針を示しているが、企業では副業をどの程度認めているのだろうか。パーソルイノベーションは、はじめに「従業員が副業することを、自身の所属企業で認めているか」を尋ね、回答率を企業規模別に示している。すると、大企業・大企業グループ会社(以下:大企業)では「認めている」が40.5%、中小企業では32.8%、スタートアップ企業では70%という結果だった。副業認可率はスタートアップ企業が最も高く、大企業や中小企業においても3割~4割程度で認可していることがわかった。
「許可」を得れば、雇用形態や部門を問わず全従業員が副業できる企業が多数
次に同社は、「自身の所属企業では、どの程度従業員の副業を認めているか」を尋ねた。その結果、企業規模を問わず、「雇用形態や部門に関わらず、すべての従業員が許可を得れば副業が可能」との回答が最も多かった(大企業:45.2%、中小企業:39%、スタートアップ企業:33.3%)。また、スタートアップ企業では、「雇用形態や部門にかかわらず、すべての従業員が自由に副業可能」が同率で最多となり、全企業属性の中で最も割合が高かった。「副業を認めた理由」は企業規模により異なる傾向に
続いて、「従業員の副業を認めた理由」を同社が尋ね、企業規模別にランキングで示している。それぞれトップとなった項目に着目すると、大企業では「働き方改革の一環」(54.8%)、中小企業では「収入の補助施策として」(37.3%)、スタートアップ企業では「禁止するべきものではないため」(42.9%)だった。企業属性により、副業を認める理由は異なる傾向にあることが明らかとなった。副業認可後の評価は「従業員がキャリアについて考えるようになった」など
次に同社は、前設問で「従業員の副業を認めている」とした回答者に対し、「副業を認めてよかったと評価している点」を尋ねた。その結果、最も多かった回答は、大企業では「従業員がキャリアについて考えるようになった」(29%)、中小企業では「副業を認めたことを評価していない」(32.2%)、スタートアップ企業では「優秀な人材の採用につながった」(28.6%)となった。中小企業では、「副業認可を評価していない」が最多だった一方で、「従業員がキャリアについて考えるようになった」、「従業員のエンゲージメントが高まった」といった回答も見受けられたという。
副業に対する課題や懸念は「本業でのパフォーマンス低下」が最多に
さらに、同社では「従業員の副業を認めたことで生じている課題や懸念は何か」を尋ねた。すると、企業規模を問わず「本業でのパフォーマンス低下」が最も多かった(大企業:33.9%、中小企業:37.3%、スタートアップ企業:42.9%)。あわせて、副業を「認めていない」と回答した人に対し、「認可しない理由」を尋ねたところ、全企業属性で「本業でのパフォーマンス低下」が最多だった。課題や懸念の回答と同じく、「パフォーマンス低下」を理由に副業を認めていない企業が多いことがうかがえる。