厚生労働省では、毎年10月を「年次有給休暇取得促進期間」として、集中的な広報を行っており、2022年も同様に実施している。同省はこの期間中、年次有給休暇(以下、年休)を取得しやすい環境の整備を各企業に促す構えだ。これにより、個人のワークライフバランスの実現を図りたいとしている。
“年次有給休暇”の取得促進に向け、厚労省が10月に「年休取得促進期間」を実施。計画的付与制度や時間単位年休の普及へ

都道府県への周知依頼やインターネット広告等を通じ、企業での年休取得を促進

2020年5月29日に閣議決定された「少子化社会対策大綱」などでは、2025(令和7)年までに年休の取得率を70%とすることが目標に掲げられている。一方で、2020(令和2)年時点での年休の取得率は56.6%と過去最高になったものの、政府が目標とする70%には依然として届いていないのが現状だ。
年休取得率の推移
こうした状況に対し、厚労省は「個人のワークライフバランスの実現には、企業等が自社の状況や課題を踏まえ、年休を取得しやすい環境整備を継続して行うことが重要」としている。またそれを促すため、同省は以下の制度活用などを例にあげている。

●年休の計画的付与制度
年休の付与日数のうち、「5日」を除いた残りの日数について、労使協定を結んだ上で計画的に年休の取得日を割り振れる制度。休暇取得の確実性が高められる。

●時間単位年休
年休の付与は原則1日単位だが、労使協定を締結すれば、「年5日」の範囲内で時間単位の取得ができる制度。個人のさまざまな事情に応じた希望休暇に対応しやすくなる。


さらに、同省が2022年10月に行う「年休取得促進期間」では、こうした年休取得促進に向けた取り組みを推進するため、以下の方法により周知を行うという。

●都道府県、全国規模の労使団体に対する周知依頼
●インターネット広告
●「年次有給休暇取得促進特設サイト」の更新
●厚労省からのメールマガジン配信
●都道府県労働局による周知 など


同省は、この「年休取得促進期間」を通じて、各企業での「年休を取得しやすい環境の醸成」を促したい考えだ。

政府からの呼びかけにより、企業や個人の年休取得への意識が高まるのではないだろうか。企業として、制度を活用して年休を取得しやすくするなど、個人のワークライフバランスの実現をサポートしていきたい。

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