性別を問わず子育てに励む社員を支援する「WAP FAMOサポート制度」を新設
ワークスアプリケーションズ(以下、WAP)は2004年に、女性の仕事と出産・育児の両立を後押しするために「ワークスミルククラブ」を導入している。ワークスミルククラブは、妊娠判明から小学校卒業までの約12年にわたってさまざまな支援が受けられる制度だ。しかし同制度の対象が女性に限定されていたため、同社は女性に育児の負担が集中する傾向が出ていることに懸念を抱いていたという。今回、WAPはそれらの懸念の解消や、さらに「改正育児・介護休業法」の「産後パパ育休」の施行を前に「男性の育児参加を支援してほしい」という社員からの要望に応えることを目的として、「WAP FAMO(ファーモ)サポート制度」を導入した。「FAMO」は、“father and mother”を略したもので、「性別を問わず子どもがいる社員をサポートすること」を意味しているという。同制度は、新たに男性を対象に加えただけでなく、支援策もより充実させている。例えば、「スムーズに職場復帰するため、育休中も短時間だけ働きたい」という社員からの声を受け、「半育休制度」を新設した。その他にも、子どもの病気やケガの時などに利用できる「FAMOサポート休暇」や、育休から復帰した社員への「復帰ボーナス」など、さまざまな内容を盛り込んでいるという。新制度の概要は以下の通り。
●復帰ボーナス
産前産後休と育休を計6ヵ月以上取得し職場復帰した社員には、1年間勤めた後に、休業前の年収の10%を復帰ボーナスとして支給
●半育休
育休中、週12~20時間未満の範囲で勤務可
●FAMO短時間勤務
子どもが小学校を卒業するまで、1日当たり4~8時間の範囲で取得可
●FAMOサポート休暇
子ども小学校卒業まで「子の人数×5日(有給)+5日(無給)」の休暇を毎年付与
なお、社員の一部は対象外となっている。
WAPは、2022年9月時点で23.8%となっている同社男性社員の育休取得率を、早期に30%へと引き上げることを目標とし、育休取得を希望する人が必要な期間休めるよう、協力体制を充実させていくという。また、育児に限らずさまざまなライフイベントに対し、社員一人ひとりが望む形で仕事が続けられる環境を作ることを目指していきたい考えだ。
本制度のように、社員の性別を問わず育休を活用でき、さらに取得後も仕事と育児を両立しやすい社内制度を整えることで、男性の育児参加に対する職場全体の意識も変化するかもしれない。男性の育休取得率向上を目指している企業では、他社の取り組みにも目を向け、新たな制度の導入を検討してみてはいかがだろうか。