エン・ジャパン株式会社は2022年6月21日、企業の人事担当者を対象に実施した「2022年の人材不足の状況」に関する調査の結果を発表した。調査期間は2022年2月21日~5月24日で、525社から回答を得ている。これにより、企業規模や業種などによる人手不足率および、人材不足に関する課題などが明らかとなった。
“人手不足感”はコロナ禍前と比べ減少傾向も、業種や職種によっては9割超に。「人材採用の強化」や「業務の効率化」が必要か

「人材不足感」はコロナ禍以前に比べ減少か。従業員数別・業種別ではいまだ人手不足も

企業の人手不足感は、新型コロナウイルス流行前の2019年と比較するとどのように変化しているのだろうか。はじめにエン・ジャパンが、「人材が不足している部門はあるか」を尋ねると、「ある」が82%だった。コロナ禍以前の2019年の同調査では89%となっており、7ポイント減少した。
コロナ禍前と比較した人手不足感
また、「人手不足の部門がある」の回答を企業の従業員数別に比較すると、「100~299名」が92%、「300~999名」が93%、「1,000名以上」が95%と、100名以上の企業では9割を超えた。

他方で、「1~9名」が69%、「10~29名」が67%、「30~49名」が79%、「50~99名」が80%と、100名以下の企業では8割以下に留まり、従業員数の多い企業ほど“人手不足感”が強い傾向にあることがわかった。
従業員数別の人手不足感
さらに、同質問を業種別に比較すると、「サービス関連」が91%、「流通・小売関連」が90%、「メーカー」が82%で上位だった。
業種別の人手不足感

人材不足が著しい職種は「営業職」や「エンジニア」

次に、同社が「人材が不足している部門がある」と回答した企業に対し、「不足している職種」を質問している。すると、「営業職(新規開拓・代理店・ルートセールス他)」が28%で最も多く、以下、「技術職・エンジニア(WEB・システム・ネットワーク)」が20%、「オフィス職(経理・総務・広報・法務他)」が13%と続いた。
人手不足のある職種

6割が人材不足の原因を「退職による欠員」と回答。解決策は「人材採用の強化」など

続いて、同社は「人材が不足している部門がある」と回答した企業に対し、「その理由」を複数回答で尋ねている。すると、「退職による欠員」が60%、「中途採用で人員確保ができなかった」が43%で上位だった。

「人材不足にまつわる悩みや課題」のフリーコメントからは、「人材を確保しようにも、未経験者からの応募が多く、採用しても人材不足が解消されたとは言えない」や「オンラインでの採用に限界がある。応募者の本質が見えにくい」といった声があがった。
人材不足を感じる理由
また、「人材不足解消に向けて検討している対応」を尋ねると、「人材採用を強化」が76%でトップだった。以下、「既存の業務を効率化する(ICT化、標準化等)」が30%、「既存社員の教育、能力向上」が27%と続いた。
人材不足解消に向け検討している内容
本調査より、コロナ禍前と比較して人手不足感はやや解消傾向にあるものの、企業規模や業種によっては人手不足を感じている企業が9割を超えるところもあることがわかった。人材不足を課題とする企業では、他社の対応を参考にするなどしながら、解決策を探ってみてはいかがだろうか。

この記事にリアクションをお願いします!