
大企業における新規事業開発の成功度は
新規事業開発担当者は、プロジェクト推進においてどのような課題を感じているのだろうか。パーソル総合研究所が、「自社の新規事業開発の成功度」を質問すると、「成功している」(「非常に成功している」と「どちらかと言うと成功している」の合計)が30.6%であったのに対し、「成功に至っていない」(「全く成功に至っていない」と「あまり成功に至っていない」の合計)は36.4%だった。なお、この結果には、企業規模や売上高による成功度の差異は見られなかったという。

4割が新規事業開発で「有望な事業が生まれている」と評価
次に、同研究所は「自社の新規事業開発の発展度」について聞いた。その結果、取り組み中の新規事業開発案件のうち、「将来、自社の主力事業になりそうな有望な事業が多数生まれている」(5.4%)および「数件生まれている」(34.7%)の合計は40.1%となった。一方で、「新規事業はまだ生まれておらず、取り組みが難航している」は14%だった。
組織マネジメントの課題は「担い手の確保」や「知識不足」
続いて、同社は「新規事業開発を進める上での組織マネジメントの課題」を尋ねた。回答数が多く“課題感が強い要素”となったのは、「担い手となる人材の確保」(38.9%)、「知識・ノウハウ不足」(38.6%)、「意思決定の遅さ」(30.7%)、「評価制度の不適合」(30.5%)であることがわかった。他方で、「経営層の関与」や「社外との連携」、「担当者の士気」はそれぞれ1割程度の回答率で、“課題感が弱い要素”となった。
“プロジェクトの形態”によって最終決裁者が異なる場合も
次に同研究所は、「新規事業開発の最終決裁者」を尋ね、その結果を「自社単独で開発を行う場合」と、社外組織と連携する「オープンイノベーション型で行う場合」に分けて集計した。すると、自社単独で行う場合では、最終決裁者は「社長/CEO」が44%で最も多かった。一方、オープンイノベーション型で行う場合は、「新規事業開発担当役員」が40.8%で最多となった。このように、自社開発とオープンイノベーション型の開発とで、最終決裁者が異なるケースもあることが判明した。
新規事業開発に「人事部が関与」は3割強。うち、7割が「効果」を実感
「新規事業開発に対する人事部の関与」について質問すると、「積極的に関与している」(「積極的」と「どちらかと言うと積極的」の合計)が33.2%だった。一方で、「積極的でない」(「積極的でない」と「どちらかというと積極的でない」の合計)は37.5%だった。
