若手社員が「メンター」、上司が「メンティー」となってコミュニケーションを図る
創業17年目となるソーシャルワイヤー株式会社では、これまでパワハラに関する人事窓口への相談事案が数件発生しているという。また、新型コロナウイルス感染症拡大下におけるリモートワーク推奨期間には、社員同士のコミュニケーション機会の希薄化にともなう課題なども抱えていた。そこで同社は、社内コミュニケーション活性化などを目的に、「リバース・メンター制度」の導入を決定した。本制度は、若手社員から上司や先輩に対し、知識共有や指導を行うもの。若手社員だからこそ持ち得る知識・価値観を上司や先輩に伝えることで、社員全体の知識のアップデートや、若手社員のエンゲージメントを向上させることを狙いとしているという。本制度の運用方法は以下の通り。
「リバース・メンター制度」運用方法
●メンター:新入社員をはじめとする25歳以下の同社の若手社員●メンティー:取締役を含む事業部長以上の役職者
●期間:2022年5月~10月の6ヵ月間
●頻度:月1回(30~60分、1on1形式)
●ルール:メンティーがメンターに「質問する」ことは可能とするが、何かを「教える」ことは不可とする
同社は本制度の導入によって、若手社員が「最先端のトレンド」や「次世代の保有する価値観」などを上司に共有することで、上司の知見をアップデートし、視野を広げる一助となることを期待しているという。また、上司と若手社員のコミュニケーションの促進によって開かれた社内の雰囲気を醸成し、社員のエンゲージメントの向上や離職率の低下などにもつなげたい考えだ。
本制度は、本来の「メンター制度」とは逆に、若手社員が「メンター」、役職者が「メンティー」となることで、両者が歩み寄る良い機会となりそうだ。「パワハラ防止対策」や「社員のコミュニケーション不足」を課題としている企業は、若手社員と上司が気軽にコミュニケーションを取れるような人事施策の導入を検討してみてはいかがだろうか。