転職後は「仕事満足度」が高くなる傾向に
健康経営の推進は、転職者の獲得やその後の活躍にどのような影響を及ぼすのだろうか。まず、パーソルワークスデザインが「転職前後での仕事満足度」について尋ねると、転職前では「満足」と「やや満足」の合計が13%だったが、転職後では同合計が40%となり、27ポイント高い結果となっている。また、「不満」と「やや不満」の合計は就職前の65%に対し、就職後は26%と、39ポイント低くなった。総じて、転職後に仕事満足度が上昇していることがうかがえる。
転職者の「健康への関心度」は、年代が上がるにつれ上昇か
次に、同社が年代別に「健康に関心を払っているか」を尋ねたところ、20代では「関心を払っており、何かしらの行動をしている」と「関心を払っているが行動はしていない」の合計が70%だったのに対し、50代では同合計が84%と、14ポイントの差が見られた。年代が上がるにつれ、健康への関心度は上昇することが判明した。若年層ほど「健康経営」を認知している
続いて、「健康経営の認知度」についての質問の結果を年代別に見てみると、20代では「内容について概ね理解している」と「名前は聞いたことがあるが、内容までは知らない」の合計が47%、30代では同合計が48%で、半数近くが認知していた。他方で、50代では同合計が29%と3割程度に留まり、健康経営への認知度は若年層のほうが高い傾向にあることがわかった。健康施策を重視する「健康リテラシー」の高い人ほど「仕事満足度」が高い傾向に
次に同社は、求職者が考える「企業の健康施策に対する見立て」と「企業の健康関連施策の重要度」を数値化した「健康リテラシー」(企業が取り組む健康施策を重要視する度合い)によって、転職者を高位・中位・低位郡に分類し、リテラシーの高さ別に「転職後の仕事満足度」を比較している。すると、「満足・やや満足」との回答の割合が、「高位群」では51%、「中位群」では40%、「低位群」では29%と、高位群ほど仕事満足度が高かった。また、同様に「転職後の生活幸福度」についても、「満足・やや満足」との回答の割合を比較している。すると、「高位群」では60%、「中位群」では42%、「低位群」では31%と、こちらも高位群ほど生活幸福度が高い結果となった。健康リテラシーが高い層ほど、「仕事満足度」と「生活幸福度」が高くなる傾向にあるようだ。
健康リテラシーが高い人ほど「心理相談」などのヘルスケアサービスに肯定的な印象
次に同社が、健康リテラシー別に「心理相談の印象」を尋ねると、「良い印象・どちらかと言えば良い印象」との回答が、「高位群」では43%、「中位群」では23%、「低位群」では21%となり、健康リテラシーが高い人ほど、心理相談について良い印象を持っていることがわかった。また、同様に「ワーケーションへの興味」についても尋ねると、「経験済み・興味あり」との回答が、「高位群」では58%、「中位群」では46%、「低位群」では41%で、高位群ほど肯定的なイメージを持っていた。同社は、「健康リテラシーが高いほど自身が健康になろうとする意欲も高く、ヘルスケアの機会提供に対して積極的である」と推察している。
※ 健康経営®は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。