株式会社ライボ(以下、ライボ)は2022年3月7日、“女性の働きやすさ”について調べるべく実施した、「2022年 働く女性実態調査」の結果を発表した。調査期間は2022年2月21日~28日で、20~69歳の社会人614名(男性316名、女性298名)から回答を得た。これにより、働く女性にとっての職場環境の実態や、その満足度などが明らかとなった。
「女性活躍推進法改正」を目前に、7割以上の社員が「女性が働きやすい環境が整っている」と回答。しかし男女の認識差は顕著に

全体の約6割が働き方に「満足」とした一方で、女性回答者の不満率が男性より高く

2022年4月より「女性活躍推進法」が改正されるが、実際に働く女性にとっての職場環境の実態はどのようになっているのだろうか。

はじめにライボは、「職場での働き方の満足度」について尋ねている。すると、全体では「とても満足」が22%、「やや満足」が37.2%で、合計59.2%が「おおむね満足」と感じていることがわかった。
働き方の満足度
「働き方の満足度」の回答を男女別に見ると、「とても満足」と「やや満足」の合計が男性は64.9%、女性は53.1%となり、満足派の回答に男女差が見られた。さらに、「とても満足」の回答に注目すると、男性が28.8%、女性が14.8%と、その差が顕著だった。

あわせて、「とても不満」または「やや不満」とした女性回答者に対し、「不満の理由」について尋ねると、「業務量の過多または過小」が30.4%で最多だった。以下、「労働時間の超過」が28.7%、「人間関係に疲弊している」が28.1%などと続いた。
男女別の働き方の満足度と、女性回答者の不満の理由

7割以上が「女性が働きやすい環境が整っている」と回答。男女別では認識に差も

次に、同社は「現在の職場では“女性が働きやすい環境”が整っているか」を質問した。その結果、全体では「整っている」が32.1%、「どちらかといえば整っている」が44.5%で、合計76.6%が「整っている」と感じていることがわかった。

また、「整っている」の回答を男女別に見ると、男性が42.4%だったのに対し、女性はその約半数の21.1%だった。男性と女性の“職場環境への認識の差”がわかる結果となった。
女性が働きやすい職場環境整備の有無について(全体と男女別)

女性社員の約4割が職場で「女性の不利」を実感

続いて、同社は「現在の職場において、“女性が不利”だと感じた経験の有無」を聞いている。すると、全体では「ある」が29.5%、「ない」が50%だった。

回答を男女別に見ると、「女性が不利だと感じたことがある」と回答した男性は19.3%で、女性は40.3%と、認識に約2倍の差があった。
職場で女性が不利と感じた経験の有無(全体と男女別)
また、職場で「女性が不利」だと感じる理由を女性回答者に対して尋ねると、「キャリアビジョンを描きにくい」が29.2%で最も多かった。以下、「出世が難しい」が28.9%、「給与や待遇に差を感じる」が25.5%などと続いた。
職場で女性が不利だと感じる理由(女性回答者のみ)

7割以上が「出世願望あり」とした一方で、男女では大きな差も

最後に、同社が「出世願望の有無」について尋ねると、全体では「とてもある」が29.5%、「どちらかといえばある」が42.5%となり、合計72%が「出世願望あり」と回答した。

回答を男女別に見ると、出世願望について「とてもある」と回答した男性が36.4%だったのに対し、女性は22.1%だった。また、「全くない」と「どちらかといえばない」の回答の合計を比較すると、男性は20.6%だったが、女性は29.9%となり、約9ポイントの差が見られた。
出世願望の有無(全体と男女別)
本調査の結果から、「女性活躍推進法」の改正を目前に控えた2022年2月時点でも、「働き方の満足度」や「職場環境の整備」などには男女間で認識の差があることがわかった。ジェンダーレスで働きやすい職場環境の整備や、女性活躍の推進などのためには、課題を洗い出し、男女間の認識の差を少なくしていくことが重要になるだろう。

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