幅広い職種の体験で、「中小のものづくり企業」を志望する学生を育成
土屋鞄製造所は、「多くの学生に、ものづくりを行う中小企業を身近に感じてもらう」という狙いのもと、2022年3月より、大学生を対象とした「長期インターンシップ」を実施することを決定した。受け入れ人数は総従業員の約6分の1にあたる100名で、学年は不問、時給は1,100円からだという。期間は最長4年間で、このような長期のインターンシップを導入するのは、同社において初の試みだ。期間に特定の終了日は設けず、最短1日から最長4年間まで、学生が個人で自由に設定できるようにするという。各学生が設定したインターンの期間に合わせて、同社が内容や実施日をアレンジする予定だとしている。職種は「ランドセルづくり」をはじめとする製造体験や、自社ホームページのUIやUXの改善、商品企画など、40種以上を用意する。本人の希望やスキルをヒアリングしながら、適した内容を学生自身が選択できるという。また、社員が受けている豊富な人材教育プログラムにも、自由に参加できるようにする予定だ。デザインやマーケティング、組織論、経営など、10以上のテーマのコンテンツを、「対面の座学」、「社員とのディスカッション」、「オンライン学習」で学ぶことができる。勤務地は、同社の東京オフィスや全国10都府県(東京、神奈川、宮城、長野、愛知、京都、大阪、兵庫、広島、福岡)のいずれかの店舗となる。ただし、仕事内容によっては自宅などからオンライン参加もできるとのことだ。
インターンシップのエントリーは、同社採用HP内にて受け付けており、全国どこからでも参加可能。同社の担当者が参加者全員とオンライン面談を行い、学生の希望の職種や強みを相互に話し合うことで、インターン生となった際により最適な職種を選定できるようにサポートするという。面談では、「学生時代の経験」や「自己PR」といった従来のフィルターを通さず、“素”の学生と出会い、互いに高め合う関係を作りたいとしている。
同社は、今回のインターンシップのテーマを「学生一人ひとりに合った就労体験」とし、学生本位の内容にする意向。また、門戸を広げることで、日本の中小のものづくり企業を志望する若者を育てていきたい考えだ。
「期間」や「職種」などにおける自由度の高いインターンシップを設けることで、間口が広がり、より多様な人材との出会いが期待できるのではないだろうか。対面とオンラインの実施を上手く組み合わせ、「業界への関心」や「企業への志望度」を高められるようなインターンシップの内容を検討していきたい。