約8割は「人事評価制度」を重視している
テレワークの普及にともない、「仕事のプロセスや成果が適正に評価されないのでは」と不安になる社員も多い。こうした働き方の変化は、人事評価の受け取り方にどのような影響をおよぼしているのだろうか。はじめに、人事評価制度の重要度を尋ねたところ、「とても重視」(11%)、「重視」(28.2%)、「どちらかと言えば重視」(38.1%)を合わせ、77.3%が人事評価制度を重視していることが判明した。2016年に同社が実施した「人事評価制度に対する意識調査(以下2016年調査)」でも、78.5%が「人事評価制度を重視している」という結果が出ており、働き方が変化しても重要度は変化していないことがわかる。
自社の人事評価制度の満足度は高い傾向
続いて、「自社の人事評価制度の満足度」を尋ねると、「とても満足」(4.1%)、「満足」(19.9%)、「どちらかといえば満足」(36.5%)を合わせて、60.5%が満足しているという結果に。「まったく満足していない」、「満足していない」、「どちらかと言えば満足していない」を合わせた39.6%よりも、約20ポイント高くなっている。評価基準の透明性の有無が、満足度に影響を与えている可能性が
また、自社の人事評価制度について満足または不満足の理由を尋ねると、満足の理由は、「何を頑張ったら評価されるかが明確」が最も多く、50.3%に。一方、不満足の理由は「何を頑張ったら評価されるのかが曖昧」が65.1%と圧倒的に多かった。いずれも2016年の調査時(それぞれ41%、54.4%)よりも数字が高くなっていることから、テレワークの導入により、評価基準の透明性を求める傾向が強まっていることが示唆された。直近の人事評価への納得感は、肯定的な見方が高い
続いて、「直近の会社からの評価についてどう感じるか」を尋ねた。「評価結果に納得感がある」の項目を見ると、「とてもあてはまる」(6.7%)、「あてはまる」(20.5%)、「ややあてはまる」(38.1%)を合わせ、65.3%が「あてはまる」と回答した。一方、「あてはまらない」との回答は、「まったくあてはまらない」(8.1%)、「あてはまらない」(10.5%)、「ややあてはまらない」(14.8%)を合わせて33.4%となった。テレワークに慣れることで納得度を高めていけるか
最後に、「テレワークで働く場合とそうでない場合で、評価の納得感に対する違いはあるか」を尋ねた。すると、66.3%が「違いはない」と回答。一方、「低くなった」が20.1%、「高くなった」が13.6%と、ばらつきがある結果となった。また、「新型コロナウイルス感染症拡大以前から高頻度でテレワークを実施していた群」と、「そうでない群」を比較すると、納得感が低下した割合は共に約2割となっている。一方、「納得感が高くなった」との回答したのは、以前から高頻度でテレワークをしていた群は26.2%だったのに対し、まったくテレワークをしていなかった群では7.3%と、大きく差が出る結果に。このことから、テレワークに慣れることで、評価の納得感を高めていける可能性もあると考えられる。