2021年度の人事施策の優先順位、トップは「職場内のコミュニケーション強化」
はじめに、「2021年度に向けた人事施策の実行」の優先順位をどのように定めているかを尋ねた。「優先順位を上げたもの」は、「職場内のコミュニケーション強化」がトップとなり、56.4%と過半数が回答した。以下、「業務状況把握・労働時間管理」が47.4%、「人事制度の改定」が45.7%と続いた。長期にわたり、テレワークでお互いが離れた環境で就業する中、社内のコミュニケーションや業務状況の把握について課題を感じ、優先順位を上げる方針であることがわかった。また、これを踏まえて、働き方や職場環境に対応する人事制度の改定も検討されているようだ。リモートワーク推進での「対面コミュニケーションの減少」が人事制度にも影響か
続いて、「コロナ禍の業務や働き方の変化は、人事制度にどの程度影響があるか」を尋ねた。「あてはまる」または「ややあてはまる」の回答を合わせた割合は、「日々の指導が難しく、評価・面談を通じた育成の重要性が高まっている」(81.3%)が最多で、8割以上が回答している。次いで、「行動評価の納得感を高める運用面の課題が増えている」が70.2%となった。リモートワーク環境で業務を進めるにあたり、育成と評価基準に課題を感じていると推察される。人事担当者は「ミドルマネジメント層への負担増大」を把握している
次に「ミドルマネジメント層が置かれている現状」を探ると、いずれの項目でも「あてはまる/ややあてはまる」の合計割合が、「あまりあてはまらない/あてはまらない」を上回った。上位は「マネジメント研修の内容について強化・変更を検討している」(76%)、「部下の業務の進捗状況把握に課題を感じている」(75.4%)、「組織のコンディションに課題を感じている」(75.4%)となった。また、「今後は求めるマネジャー像の変更が必要だと考える」が69.5%と、約7割が回答している。多くの人事担当者は「現状のミドルマネジメントが抱える課題」を把握しており、新しい働き方に対応したマネジメントに変化させるべく、育成強化を検討する企業が多いようだ。