コロナ禍の就活で、6割以上の学生が「苦労したこと」とは
新型コロナウイルス感染症の影響下で就職活動を余儀なくされた21年卒の学生たちは、自身の就職活動をどのように振り返っているのだろうか。はじめに、「コロナ禍の就職活動で苦労したこと」を尋ねた。すると、最も多かったのは「説明会・選考が延期・中止になった」で65.6%という結果に。次いで、「Web説明会・Web面接では企業の雰囲気が分かりにくかった」(42.2%)、「説明会・選考がWebに変更になった」(34%)、「企業に訪問する機会がなく不安だった」(31.6%)などと続いた。
自由回答では、「第一志望の企業が採用活動を中止した。もし選考があったらという心残りがある」、「志望する企業の採用中止により、新たに志望業界を探すのに苦労した」、「企業への訪問ができず、オンラインのみで雰囲気を理解し、内定承諾を行うのが難しかった」などの声があがった。
約3割の学生は「Web面接のみ」で入社を決定している
続いて、「入社を予定している企業」の選考形式を尋ねると、最多だったのは「リアル訪問」で38.3%に。以下、「Web面接と、リアル訪問の両方」が32.4%、「Web面接」が29.3%と続き、「Web面接のみ」で入社を決めた学生は約3割にのぼることが判明した。22年卒学生に就職活動アドバイスに採用担当者へのヒントも
最後に、21年卒の学生から22年卒予定の学生に対するアドバイスとして、次のような意見があがった。・自分がやりたいことは1つの業界でしかできないとは限らないので、リアル開催の合同企業セミナーなどを通じ、さまざまな「業界」や「企業」を知ることが重要。コロナ禍で採用を縮小する企業もあるからこそ、視野を広げたほうがやりたい仕事に近づける。
・Web面接では企業の雰囲気をつかみにくいが、1日に複数企業の面接を受けることができるといったメリットも。Web面接のメリットを活かし、多くの企業の話を聞くことが大事。
・面接は回を重ねることで、Web面接でもリアル面接でも自分の本音を上手にぶつけることができるように。少しでも興味のある企業はぜひ選考に参加してみて。
・就職活動は「情報収集」と「情報の取捨選択」が大事。Web上には就職活動に関する情報が溢れているが、すべてが参考になるとは限らない。必要な情報・参考にできる情報を見極められる目を養うことがポイント。
・Web面接では、無機質にならずジェスチャーや声に抑揚をつけるなどの工夫が絶対に必要。声・抑揚・リアクションを2倍にしてちょうどよいくらい。
コロナ禍での就職活動を行った学生のリアルな声は、採用に関わる企業担当者が参考にできるものも多いだろう。直接対面しづらい状況だからこそ、「お互いを知るための工夫をいかに行えるか」が、よい学生との出会いにつながるのではないだろうか。