金銭的支援の他に「組織診断」や「中期計画の策定」など事業基盤をサポート
パナソニックでは、NPOやNGOが戦略的に社会課題の解決をはかるためには「組織の基盤強化が重要」という認識の下、2001年に「Panasonic NPOサポート ファンド」を設立。2018年度からは「Panasonic NPO/NGOサポートファンド for SDGs」という助成プログラムに改定し、今回の助成先を含め合計426団体、総額5億3,863万円の助成を実施している。2020年は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、新興国・途上国における絶対的貧困に加え、先進国における相対的貧困の格差も拡大しつつあり、世界中でその解決に向けた取り組みが急務となっている。
本ファンドは、貧困解消を目指すNPOやNGOが社会変革に持続的に取り組めるよう、「海外助成」と「国内助成」の2プログラムを提供。組織の課題を明らかにする「組織診断」のほか、「具体的な組織課題の解決」、「組織運営を改善するための基盤強化の取り組み」に対して助成を行うという。
このうち「海外助成」では、アジア、中東、アフリカ諸国、中南米地域における持続可能な発展に向け、教育、保健医療、農業の支援や平和構築などの社会課題解決に取り組む団体に助成を実施する。また、「国内助成」では「生きづらさを抱える子どもと若者への支援」、「生活困窮者支援」、「障がい者の就労支援」、「自死の苦悩を抱える人の心の居場所づくり」、「LGBTの生きやすい社会づくり」など、経済的貧困のみならず、社会的孤立といった困難を抱える人々を支援する団体を助成する。
助成事業では、金銭的サポートだけでなく、「組織診断」、「中期計画の策定」、「ウェブサイトの充実・強化や再構築」、「資金調達」、「スタッフの人材育成」、「ボランティアマネジメント」など、広範なサポートにより各団体の事業をサポート。これにより、「貧困解消」という大きな目標の達成を目指すとしている。同社は、社会において重要な役割を果たすNPOやNGOとともに組織基盤強化の取り組みを行うことを通じ、市民活動の持続的発展、社会課題の解決促進、社会の変革に貢献していく考えだ。
さまざまな社会課題の深刻化から、組織としてSDGsの達成に向け取り組む企業が増えている。まだ取り組んでいない企業は、どのような方法や手段での参加が可能か、検討してみてはいかがだろうか。