3割以上が「在宅勤務制度が整っていない」まま在宅勤務を開始
働き方改革推進により、「新しい働き方」の一つとして昨今注目が集まる在宅勤務(テレワーク)だが、制度として在宅勤務を整備している企業はどのくらいあるのだろうか。現在、在宅勤務を行っている人に、「在宅勤務制度の有無」を聞いた。その結果、65.8%の企業がすでに「在宅勤務制度がある」と回答。一方で、正式に制度として整備されていない状態で在宅勤務を行っている人が34.2%いることも判明した。国や自治体の緊急事態宣言などに応じるため、企業が急ぎで在宅勤務へ移行したことをうかがわせる。
新しい働き方として在宅勤務の定着に期待
次に、「新型コロナウイルス感染症の収束後に在宅勤務を継続して実施したいか」を聞いた。すると「継続したほうがよい」(34%)と「部分的に継続したほうがよい」(39.9 %)が合計で73.9%にのぼった。在宅勤務継続の課題は「労働環境の整備」
続いて、月に1回以上在宅勤務を行っている人に「在宅勤務時の障害」について聞いた。その結果、最も大きな障害は、紙の資料が手元にないなど「業務上必要な資料がない」で37.5%、次いで「社内サーバーへのアクセス権限がない」で29.9%となった。・在宅勤務時は自宅のパソコンを利用しており、通信セキュリティの安全性に不安がある
・個人情報や一定の資料に出社しないとアクセスができない(認められていない)
・自宅での通信速度が遅く、スムーズに仕事ができない
さらに、「迷惑メールが増えた」との回答もあり、既にセキュリティ上のトラブルが発生しているケースもあるようだ。テレワークを推進するには、企業が主体となり情報管理やセキュリティ対策を実施することが重要だと言える結果だ。
働き方改革推進や新型コロナウイルス感染症拡大の防止措置として広がりを見せる在宅勤務。新しい働き方として定着をはかるためには、制度の整備や実施時の課題を一つずつクリアにすることが必要となりそうだ。