採用担当者と同等の判定精度をAIでも実現。選考にかかる時間を7割削減
新型コロナウイルス感染症拡大の対策として、オンラインでの採用活動を強化する企業が増えている。このような中、ソフトバンクはエクサウィザーズと共同で動画面接向けのAIシステムを開発し、実証実験を経て導入を決定した。具体的には、エクサウィザーズの動画解析モデルに、ソフトバンクの熟練採用担当者の観点を取り入れ、応募者から提出された動画に対してAIの技術を用い評価を算出する。事前の実証実験で、評価精度が採用担当者による面接評価と同等になることが判明したため、現場での導入が決定した。
このAIシステムは、総合職採用のエントリーシート選考後、動画面接を行った際の評価に活用する。AI解析で「合格基準を満たす」と判定された応募者は、選考通過者として次の選考に進む。また、AIが不採用とした動画については、人事担当者がすべて確認して最終的な合否判定を行うことで、正確性も担保するという。
この導入により、同社は動画面接の選考時間を約70%削減できると見込んでいる。削減により創出された時間は、インターンシップの拡充や、同社が求めるスキルを持つ人材への新規アプローチに充て、応募者とのさらなるマッチングを目指すという。
AIを活用した動画解析を選考プロセスの一部に取り入れることで、対面接触を極力減らした採用選考が可能となる。新型コロナウイルスなどの感染症流行時に、企業担当者と応募者双方の安全確保に繋がるだけでなく、客観的かつ統一された評価軸による公平な採用も実現できる。AIと人の協働は、実際の採用現場に大きな変革をもたらしている。