高度技術の専門性を持つ人の就業機会拡大を目指す
日本では、高度な知見を持つ博士課程修了者などが正規雇用として就業する割合が低く、依然として民間企業での高度技術人材の採用枠や受け入れ機会が少ない傾向にある。これらを背景として、パナソニックではビジョンとして掲げる「くらしアップデート」の実現を目指し、技術力強化を推進。キャリア採用や再雇用制度「カムバックキャリア」など柔軟な就業機会を創出し、積極的に外部からの知見を取り入れている。このほかにも、雇用機会の拡大に向けた取り組みとしてセミナーの開催や多様な採用コースの設置を実施。そのひとつとして、2020年3月16日に「高度技術人材コース」を新たに開設した。
セキュリティやAI技術関連に特化した専門知識を持つ人材を募集
高度技術人材コースでの募集にあたり、応募者の研究分野として4つのテーマとそれに付随する業務内容が示された。それぞれの詳細は以下の通りである。「セキュリティ」
IoTサイバーセキュリティ研究開発やブロックチェーンを応用したソリューション開発
「組込AI」
Deep Learning組み込み技術開発と組み込み実装時のAI推論精度劣化改善のための技術開発
「クラウドシステム」
AI活用クラウドシステムに関する要件定義と設計および開発と、AWSやAzure上でのアプリケーションの開発技術
「AI技術研究」
海外の研究機関や大学と連携し、AI活用機器やサービスにおけるAI開発
加えて、「AIソリューション」、「データサイエンス」、「エネルギー・材料」、「センシング・デバイス」の4つの領域における研究者からの持ち込み型の受け入れも実施するという。応募条件は、博士やポスドク等高度知識や専門スキルを持つ人、またはそれに準ずる人としており、新卒・キャリア採用問わず技術レベルを客観的に評価し、それ基づく柔軟な処遇で受け入れる姿勢だ。
最先端技術の活用が多くの企業で必要とされる現代。これまでの就業経験の有無にとらわれず、人材個人の持つ技術レベルを重視した採用手法によって、企業の技術力強化のみならず事業成長へとつなげられるか。今後の動向にも注目したい。