「業務改善助成金」の金額や、受給までの流れ

「業務改善助成金」は、アップさせる賃金の額によってコースが分かれています。また、賃金を引き上げる従業員の数により、助成額に上限が設定されています。ただし、この助成金は、事業場の規模が100人以下の事業場が対象となっていますので、注意が必要です。

業務改善助成金の場合、助成額は一定金額の支給ではなく、かかった経費の3/4にあたる金額が支給されます。たとえば、100万円の設備投資をおこない、7人の従業員に対して30円ずつの賃金を引き上げた場合、75万円を受給することができます。

また、この助成金は、「生産性要件」を満たせば増額される仕組みになっています。生産性要件とは、指定のシートを使って生産性の伸びを計算し、規定の要件を満たしていれば増額されるという仕組です。

受給までのおおまかな流れとしては、まず「業務改善計画」と「賃金引き上げ計画」を記載した「交付申請書」を作成して、事業所を管轄している都道府県労働局に提出します。後日、労働局から助成金交付決定通知書が交付されます。次に、「業務改善計画」にもとづいて設備やシステムなどの投資をおこないます。その後、「賃金引き上げ計画」にもとづき、事業場内で最も低い賃金を引き上げ、労働局に「事業実績報告書」を提出します。労働局では、その報告書の審査をおこない、内容を適正であると認めれば、助成金の支給を確定し、事業主に通知します。

ただし、助成金の受給までには、申請書の作成以外にも就業規則の整備といったことが必要で、労力と時間が非常にかかります。助成金を検討される際は、事業所近くの社会保険労務士に相談することをおすすめします。
山口善広
ひろたの杜 労務オフィス
社会保険労務士
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