「業務改善助成金」とは
「業務改善助成金」とは、中小企業の生産性向上を支援し、事業場内で最も低い賃金の引き上げをはかるための制度です。つまり、生産性を向上させるために、機械設備やPOSシステムなどを導入することで、残業代といった人件費や余分なコストをカットしていきます。こうした取り組みの結果として削減できた経費を、事業場内での最低賃金の一定額以上引き上にあてた場合、設備投資などにかかった費用の一部を助成する仕組みになっているのです。順番としては、下記のようになります。設備投資→生産性向上→経費削減の実現→賃金アップ→助成金の受給
ただし、助成金の予算の範囲内で支給するため、申請期間内に募集を終了する場合がありますので注意が必要です。
さて、生産性を上げるための設備投資といっても、漠然としていてどうすればいいのかピンとこないこともあると思います。具体的に、生産性を向上させるための設備投資とはどのようなものがあるのか、業種別に実例を見ていくことにしましょう。
例1:食品製造業
複数名の人員で野菜を洗浄していましたが、野菜洗浄機を導入することで、洗浄作業にかける人員を削減することができ、4倍の生産性向上に成功しました。
例2:金属製品製造業
材料の洗浄を人の手でおこなってきましたが、超音波洗浄機の導入によって材料の洗浄時間を短縮させ、1ヵ月で80時間の洗浄時間を短縮させました。しかも、洗浄の不備も削減できたそうです。
例3:情報サービス業
顧客管理システムを導入しました。その結果、顧客対応履歴や売り上げ状況、請求業務を一元化することに成功し、データベースで全員と情報共有することができるようになり、打ち合わせの時間を、約50%削減させることに成功しました。
例4:機械工具小売業
POSレジシステムを導入し、商品の在庫管理や棚卸し作業、売り上げの管理・分析などを一元化することができるようになりました(POSレジシステムとは、お客様と金銭のやりとりをした時点での情報を管理するシステムを搭載したレジのことです)。
例5:書籍小売業
業務改善コンサルティングを受けた結果、仕入れ品の検品や、発送業務の無駄やミスを削減できました。
いかがでしょうか。このほかにも事例はたくさんありますが、生産性を向上させるための設備投資をおこなった結果、残業などの経費を削減、賃金に上乗せすることで、助成金が支給されるのです。一度検討してみる価値はあるのではないでしょうか。