「リモートワーク可能」と回答したのはわずか2割
新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、政府は全国すべての小・中・高校等に対し、2020年3月2日から春休みまでの臨時休校を要請。子どもを持つ親は、子育てと仕事との両立が難しくなると予想されることを受け、実際に働く母親たちの本音を探った。まず「今の職場でのリモートワークの可否(新型コロナウイルス対応や臨時休校対応で特別に認められた場合を含む)」を尋ねた。その結果、「可能」が19.2%、「不可能」が80.8%だった。大企業を中心に柔軟な働き方が浸透しつつある一方で、実際にリモートワークができる職場は少ないことがわかる。
親子リモートワークの課題は「子どもに関すること」が上位
上の設問で「可能」と答えた人を対象に、「子どもが近くにいる環境のなかで行うリモートワーク(親子リモートワーク)での課題は何か」と質問をしたところ、7割以上にのぼる75.6%の人が、「子どもが一人で長時間遊び続けられない」と回答した。次いで、「子どもが気になり集中できない」が73.7%という結果だった。親子リモートワークでの課題は、会社よりも子どもにまつわることが多いようだ。祖父母やパートナーからの支援を望む声が多数
次に、「親子リモートワーク時に協力の依頼や活用した(したい)もの」について尋ねた。その結果、最も多かった回答は「祖父母」で54.7%、次いで「夫あるいはパートナー」が50.9%となった。周囲からの支援を期待する母親が多いことがわかる。親子リモートワークで必要な工夫とは
また、「親子リモートワークで工夫していること」について尋ねると、「時間休や半休を組み合わせた」、「時短で仕事をした」など、勤務時間を柔軟にすることで対応したという声があがった。このほか、子どもの過ごし方については「時間割と課題を用意して仕事中は暇を持て余さないようにし、休憩時間にはゆっくりコミュニケーションをとった」、周囲のサポートを活用した人からは「午前中は祖母と外出してもらい、集中できる環境を作った」などの回答があった。
子どもがいる環境でリモートワークをする際は、工夫を凝らしながら時間を捻出して仕事をする母親たちの様子がうかがえる結果となった。
母親たちが望むサポートやサービス
最後に、「親子リモートワークをする際に、どのようなサポートやサービスがあると助かると思うか」と聞いたところ、「当日でも頼める低料金のシッターや家事代行サービス」、「教材や動画などの学習コンテンツ」、「弁当宅配サービス」などの回答が得られた。これは仕事に集中できる時間を確保したい母親たちの要望や願いが結果に現れたようだ。緊急の臨時休校という避けられない状況のなか、これが長期間続くと親の働き方も従来と同じようにはいかないだろう。今後も企業には、非常時でも子育て世代が安心して仕事を続けられるよう、柔軟な体制の構築や制度導入を検討することが求められそうだ。