新型コロナウイルスの拡大が日本企業の経営に打撃を与える結果に
国内最大級規模の総合免税店ネットワークや、国内向けECサイトなどのインバウンド事業を主力として事業を展開しているラオックスは、外国人旅行客を集客のメインターゲットとして大型店の出店を進め、顧客基盤拡大をはかってきた。しかし、現在、新型コロナウイルスの感染拡大が要因で中国からの団体観光客が減少し、業績悪化への懸念を抱いているという。同社取締役会では、これを契機にインバウンド事業に依存する体制からの転換と新事業に向けた体制構築における人員の見直しが必要と判断し、希望退職者募集の決定に至った。同時に、同社最大の子会社シャディにおいても同様の措置が取られる。退職を申し出た社員に対しては、今後の社外でのキャリア開発および転進に向けた支援を行う方針だ。ラオックスが希望退職の対象とする従業員は、販売専門職の正社員と契約社員、そして販売専門職以外で在職している勤続2年以上かつ40歳以上の正社員と契約社員で、合計140名程度を予定。一方、シャディ従業員では、勤続10年以上かつ50歳以上の正社員と契約社員を20名程度募集する。退職日は2020年3月末日を予定しており、退職者には優遇措置として規定の退職金に特別退職金を加算するとしている。
また、この募集にともない発生する費用は、2020年12月の連結決算にて特別損失として計上する予定で、業績に与える影響予想については確定次第公表する、ともしている。世界的に猛威を振るっている新型コロナウイルスが日本企業の経営に大きな影響をもたらした結果であり、見通しの立たない状況に迫られての決断といえるだろう。