インターンシップに応募したことがある学生は9割以上。調査開始以来、最高に
インターンシップは、社会への適応能力が高い人材の育成や、企業の魅力発信に有効とされ、多くの企業で実施されているが、近年ではどの程度普及しているのだろうか。大学生および大学院生のインターンシップ応募率と参加率、また、ひとり当たりの平均応募社数と平均参加社数を、2017年から2019年にかけて比較した。すると、「インターンシップに応募したことがある」学生は2019年で93.8%と、前年度より11.1ポイント増加していた。さらに、「インターンシップに参加経験がある」と回答したのは、2019年が84.9%となり、前年の72.8%と比べ12.1ポイント増加していることも分かった。どちらも2018年と比較し10ポイント以上の増加が見られ、その伸び率は過去最高値を更新している。平均参加社数でも2019年は3.2社で、前年より0.2社増加しており、学生の間でもインターンシップへの参加が一般化してきていることがうかがえる。
半数を超える学生が複数企業のインターンシップに参加
次に、「インターンシップの参加社数」について尋ねると、「1社のみ参加」は17.7%(前年比4.7ポイント減)で、「2社以上参加」は67.2%(前年比16.8ポイント増)となった。多くの学生が、複数企業のインターンシップに参加していることが分かる。インターンシップ参加需要が高まる一方、落選経験者も半数以上に
さらに、「インターンシップの選考を受けたことがあるか」という質問に対しては、「受けたことがあり、すべて通過した」が10.3%。「受けたことがあり、1回は選考に落ちたことがある」が50.8%となり、全体で61.1%が選考を経験しているという結果だった。これは、前年比10.7ポイントの増加となる。また、調査を開始して以来、初めて、半数を上回る学生たちが1度は選考落選を経験していることが判明した。今後参加したいプログラムは「実際の現場での仕事体験」
最後に、「今後参加したいプログラムの内容」について尋ねた。最も多い回答は「実際の現場での仕事体験」で33.5%。次いで「仕事のシミュレーション体験」が18.6%。「会社見学・工場見学・職場見学」が14.5%と続く結果となった。企業側としては、実務に携わる機会を作ることは難しくとも、業務のシミュレーションや職場見学を通して、実際と近い形の仕事内容を伝えるインターンシップを実施することが、学生とのマッチングを図るうえで重要なポイントになるといえるだろう。