第7回
持続的な成長を可能にする
人材基盤をつくる
株式会社みずほフィナンシャルグループ
グループ人事部 部長
岡 武史 氏
株式会社みずほフィナンシャルグループ
グループ人事部 キャリア開発室 室長
佐藤 賀雅 氏
Interviewer/株式会社セルム 取締役 加藤 友希
2015年1月取材 ※所属・肩書・記事内容は取材当時のものです。
2013年に新しい中期経営計画「One MIZUHO New Frontierプラン」を発表し、
新しい成長軌道に舵を切ったみずほフィナンシャルグループ。
「銀・信・証」という金融の広いフィールドにおけるシナジー力の発揮と、
グローバル化に対応するために設定した人事課題は、変化する戦略・戦術に対応できる
柔軟で自律的に学習しあう人材基盤をつくることだという。
それが持続的な成長を可能にすると語るグループ人事部部長の岡 武史氏、キャリア開発室室長の佐藤 賀雅氏にお話を伺った。
『みずほが考えるタレント・パイプライン』
『今後への課題は、カルチャーの実践と新しい学び方の導入』など、
インタビューはまだまだ続きます。ぜひダウンロードして、お読みください。
グループシナジーを高める「人事の共通プラットフォーム」と 「カルチャーづくり」
加藤
岡
これをよりブレイクダウンして、多くの社員が「〈みずほ〉の基本理念」に共感して、それに則った行動を内発的に起こす企業風土をつくることを人事ビジョンとして掲げました。みずほというグループ全体が、社員一人ひとりにとって、やりがいと誇り、そして共通の住処と感じられることが目指す姿です。
加藤
岡
加藤
岡
金融業務は多様化・複雑化していますから、お客様のニーズ対応には複数の専門領域が必要です。それを一人でワンストップで対応できるということはなかなか難しいと思いますが、みずほグループの密接な連携のあり方は、他社に真似のできない競争力であると思います。
また、こうした人事交流はグローバルベースでも積極的に行っています。現在、毎年100人以上の若手を駐在やトレーニーとして海外異動をさせたり、逆にナショナルスタッフに東京本社で勤務してもらうなどの取組みも始めています。まだ課題は少なくありませんが、ようやく軌道に乗り加速化し始めたのが、ここ近年の状況だと思っています。
みずほの考えるタレント・パイプライン
加藤
佐藤
中でも、特徴的なのは「PMD(Program for Management Development)」「AMP(Advanced Management Program)」と呼ばれる提言型ワークショップで、みずほ創設以来10年以上続いています。このプログラムの特徴は、銀行・証券・信託等の全てのエンティティーの若手からシニア層まで、応募、指名を通じて様々な職階が参加可能である点です。参加者は、エンティティーの垣根を超え、みずほをより良くしたいという強い想いをもって本プログラムに臨みます。また、ここでは半年間にわたるインプットセッション、ケーススタディー、グループディスカッションを通じ〈オールみずほ〉の視点で自ら課題を設定し、最終的にはグループCEOに対し具体的な提言を行います。課題設定・解決に向けた議論の中で、ユニット長や部次長クラスが具体的なアドバイスを行う他、メンター的な役割を担っている点もユニークかもしれません。
加藤
佐藤
毎年、前年度の参加者との懇親会を実施し、“襷をつなぐ”試みを行っていますが、本年度はこれに加え、過去10数年にわたる参加者全員を対象としたOB/OG会を初めて開催したところ、我々事務局としても驚いたことに、延べ400名の方が参加しました。様々な研修を行っていますが、卒業生の心と身体にここまで深く記憶として刻まれている研修はそう多くないと思います。半年間、共に多忙な業務を抱えながら、みずほの将来やあるべき姿について、徹底的に語り合った「戦友」なんですね。今回のOB会の盛り上がりを見て改めて、繋がりの強さを確信しました。
加藤
縦のつながりもあるということも凄いことだと思います。
佐藤
岡
加藤
佐藤
今後は、受講者同士の「横」のネットワークに、OB/OGとしての「縦」の繋がりを加えることで、社内に本プログラム参加者を起点とした自主的なコミュニティー、イメージとして「私塾」のようなものが築き上げられることを期待しています。
プログラムの参加者は各持ち場で枢要なポストについており、エンティティーもばらばら、専門領域も多様であり、一つの自主的なコミュニティーとしてまとまれば大きな影響力を持ち得ると考えます。相互啓発的に学び・教え、世代やエンティティーを超えて、より良い組織を目指してストレートトークでぶつかり合う、こうした自律的な組織作りを目指す上で、社内コミュニティーがチェンジエージェントとして機能していく姿が一つの理想形ではないでしょうか。