第6回
「暗黙知」を共有して、
グローバルNo.1であり続ける
ダイキン工業株式会社
執行役員 人事本部長
佐治 正規 氏
Interviewer/株式会社セルム 常務取締役 田口佳子
2013年12月取材 ※所属・肩書・記事内容は取材当時のものです。
「グローバルNo.1企業になろう」を目標に掲げて戦略を推し進め、2010年に空調事業におけるグローバルNo.1を達成したダイキン工業。
空調機器の専業メーカーであり、世界の競合他社と比べても
突出して規模が大きいわけではない同社が、如何にしてグローバルNo.1を達成し、さらなる成長戦略を推し進めていくのか。
戦略の先見性と共に鍵を握るのは、同社の人材である。日本企業のグローバル化のベンチマーク企業として注目されるダイキン工業の人事の鍵を握る執行役員
人事本部長 佐治正規氏からお話を伺った。
『理念は、現在の暗黙知のままグローバルでも共有する』
『ダイキン社員=チャレンジ中毒と言われたい』など、
インタビューはまだまだ続きます。ぜひダウンロードして、お読みください。
「夢」と同時に「危機感」が、 グローバル化に舵を切らせた
田口
佐治
目指すといっても当初は「そうはいっても夢のようなものだろう」という捉え方が多かったと思います。しかし、実際にそれ以降は、様変わりと言えるほどグローバルに舵を切り、次々と戦略・戦術を打ち出していきました。
田口
佐治
また、意思決定をするその時々に非常にいいタイミングで、欧州における猛暑など我々にとって環境的な追い風が吹いたということも成功の要因の一つであったと思います。井上は自分のことを「強運の持ち主」と言ったりしますが、やはり並はずれた先見性があったのだと思います。
田口
佐治
田口
佐治
人事部のグローバル化
田口
佐治
戦略経営計画の「FUSION15」が制定される前年あたりから、グローバル戦略の中での人事本部の役割を我々自身も意識し、様々な変革に取り組み始めました。
工場等各事業場の人事・労務機能を本社に集約して効率化を図ったり、各拠点にとどまらず、グローバルに活躍できる人材の採用や、グループ幹部人材の把握を行ったり、様々な施策が本格化しました。
田口
佐治
田口
佐治
しかし、語学が堪能で海外志向があれば現地で活躍できるかというとそんなにビジネスは甘いものではありません。そこが難しいところです。経営的センスがあるとか、リーダーシップをもっているとか、色々な言い方がありますが、結局は自分の頭で考えて、考えたことを自ら発信し、周囲をきちんと納得させられる。場合によっては納得というより説得することができる人材でないと通用しないのです。また、本社が全体最適の観点から考えていることを知り、その考え方に共感できることが最低限必要で、さらに自分の言葉で人に伝えられる、或いは具体的に実行できる、現場の最前線における意思決定ができる・・・こんな人材が必要です。考えてみれば国内でも全く一緒ですね。
田口
佐治
責任を取るとは、「やる」と決めたことを、何としてでも「やる」ことです。「ごめんなさい。できませんでした」と謝るだけなら誰でもできます。そんな人は不要です。
そして、どんなに準備してもリスクはゼロにはなりませんから、最後はジャンプして挑戦していくことが大切です。ダイキンには一度ダメでもそこから這い上がって、再度チャレンジできる風土があります。ですから、納期が遅れようが、出来が悪くて何回もやり直しをさせられようが、それこそ泣こうが、わめこうが「やる」といったら「やる」人を求めます。