第3回
大胆な「革命型」グローバル化を実行
リーダー人材の早期選抜・育成と市場競争力がある人材の育成によって真のグローバル企業を目指す
日本板硝子株式会社
執行役員グループファンクションHRダイレクター アジア
梯 慶太氏
Interviewer/株式会社セルム 常務取締役 加藤友希
2012年6月取材 ※所属・肩書・記事内容は取材当時のものです。
ドメスティック企業であった日本板硝子(NSG)が、世界展開で先行していたイギリスのピルキントン社を買収したのは2006年。「小が大をのむ買収」と話題をさらい、今では世界最大規模のメーカーとなった。
グローバル市場で勝ち残るために自らドラスティックな変革を起こしたNSGは、人材開発に関しても真のグローバル化を目指し着実に改革を進めている。執行役員でアジア全域におけるHRトップである梯慶太氏に、その取り組みや人材開発に対する考えについて伺った。
『変革時にはシンプルなメッセージを繰り返し伝えることが大事』、
『「企業は人なり」をベースに、コンピタンシーモデルを作成し活用』など、
インタビューはまだまだ続きます。ぜひダウンロードして、お読みください。
海外売上比率は2割から7割に拡大、事業部のヘッドは全て外国人に
加藤
梯
加藤
梯
組織的には、1年間かけてどう統合していくかを考え、まず重複する事業を統合しました。2008年6月にはスチュアート・チェンバースが社長兼CEOに就任すると同時に委員会設置会社に移行。その後も若干の変遷があり、2012年2月に組織を再編、さらに4月にクレイグ・ネイラーに代わって吉川恵治が代表執行役社長兼CEOの役職に就任しました。組織面での大きな変化は、買収して約1年でフラットグラス事業を統合し、これまで日本人だけで運営していた事業部のヘッドが全て外国人になったことです。
「全社員駐在員化」は大きなプラス
加藤
梯
現在、日本人は世界全体の社員の17%で、NSGはもはや日本人の会社とは言えません。人事政策も日本人だけを見て決められず、多様な人材に対してどうしていくかが重要になってきます。共通言語は英語で、経営理念やイントラネット、各地にあるコールセンターも多言語化しています。社内報は19カ国語で作成していますが、こうしたことは2006年以前には考えられなかったことです。グローバル企業ではコミュニケーションが非常に大事だということの具体的な現れの1つです。
加藤
梯