第5回
“変革はトップから”経営陣の思考プロセスからグローバル化を進める
横河電機株式会社
人財本部 人財戦略室長
江原 直子 氏
Interviewer/株式会社セルム 常務取締役 田口佳子
2014年1月取材 ※所属・肩書・記事内容は取材当時のものです。
2015年に100周年を迎える横河電機。中長期目標「制御事業 グローバルNo.1」を掲げ、その実現のために「ヘッドクオーター本社管理機能・製品開発機能のグローバル化」「生産体制の改革」
「グローバル人財戦略」というビジネス構造改革に取り組んでいる。
構造改革とは、仕組みや仕事のやり方と同様に、それを支える人財の思考プロセスも変わらなければ成し遂げられない。
多くの企業が対応に苦慮するところもここである。
今回は人財の側面での構造改革に取り組む人財本部 人財戦略室長、江原直子氏にお話を伺った。
『変わるために、「非連続」を意識的につくることが必要』
『大切なのは「タイミング」と「トップから変えること」』など、
インタビューはまだまだ続きます。ぜひダウンロードして、お読みください。
本社のグローバル化とは、役員のリーダーシップが変わること
田口
江原
横河は日本の老舗企業であり、本社も日本にあるのですが、本社が現時点で、そして今後グローバルビジネスを伸ばしていくためにふさわしい役割を果たしているのか、いけるのか、を一度ここで立ち止まり、もとから考えなければいけないということになったのです。
私は以前、コンサルタントとして多くの企業を見てきた経験があります。だから言えるのですが、横河はいいところは最高にいいと思います。ひと言でいえば、開放的で明るく、風通しの良い企業だと思います。まず、役員と現場社員の距離が比較的近い。また、外部から入ってきた私のような人間も寛容に受け入れていただいています。実はもっとよそ者扱いされるかと思っていました。
田口
江原
田口
江原
田口
江原
欧米的な思考プロセスで考えなければならない
江原
現に先日、それぞれの国・地域の人事担当者を集めてディスカッションの機会を持ったのですが、日本の担当者は議論でコテンパンに負けてしまうのです。これは語学力の問題ではありません。日本語だけでディスカッションさせても英語でディスカッションしている海外のチームほど活発なディスカッションにはなりませんでしたから。
田口
江原
しかし、人事という管理制度には、欧米的な思考プロセスがやはりあっているのです。日本では、なんといいましょうか・・・人を管理するために、制度というハードウェアは必要ありませんから。
これからミャンマーやカンボジアなどの国の企業が人事制度を整えるとしても、日本式のものにはなりません。グローバル基準といわれる人事の主流の考え方は、残念なことにやはり欧米式なのです。