人間は社会的な生き物ですが、現代は歴史上かつてなかったほど、密接につながっています。六次の隔たり理論も証明済みです。「人間は孤島ではない」は昨日生まれたことわざではなく、何百年前から使われてきました。にもかかわらず、他人と接したくない人が会社を代表して参加しています。しかし、人と接するのが下手ではブランドに傷がつきます。その人自身とその人が勤める会社の評判が下がります。そういう人を相手に、どうやって力になろうかとか問題を解決してあげようかと考える人はいません。ビジネスをすることはおろか、大切なネットワークに属する仲間に紹介しようとすら考えません。一方、友人の輪を広げてビジネスを拡大しようとする人もいます。あえて「友人」という単語を使うのは、人間は気に入った人と仕事をしたがるものだからです。嫌いな人と仕事をするのは、他に選択肢がないときだけです。なるほど。では、問題です。どうしたら好感を持ってもらえるでしょう?
これはネットワークづくりの2つの側面に関係しています。1つは知り合いになり気に入ってくれて影響力を及ぼすことのできる人の数、もう1つは影響力の質です。「自分は人を動かそうとなどしていない」と思う方がいるかもしれません。でも、しています。気づいているかどうかは別として、誰もが自分を売り込もうとするのは当然です。信頼できる、プロフェッショナル、優秀、頼りになる、気さく、知性的、経験豊富、クリエイティブなど、少なくとも自分のイメージを売り込んでいることは確かです。好感が持てることはビジネスを行ううえでの武器であるのに、私たちはそのことを見過ごしがちです。会社と自分自身にビジネスを呼び込むには相手にポジティブな影響を与えることが必要です。「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」という古くからのセールスの教えは現在でも通用しています。影響力が大であれば多くのチャンスを生むことになるので、数には意義があります。
もう1つのネットワークの質の部分はどうでしょう?ここでは、コミュニケーションとピープルスキルの基本が大事です。この分野でもするべきことが山積みです。ご職業は?ここに来て何年ですか?などのありきたりの質問が関の山のようですが、それでも悪くはありませんが、もっと掘り下げてはどうでしょう。「相手にしゃべらせる」はデール・カーネギーが教える主要原則の1つです。単純すぎるように思えますが、質問することと原則4の「誠実な関心を寄せる」を実践することで、人を動かすことができます。「誠実な」という単語について考えてみれば、このアイデアが効果的である理由は一目瞭然です。
原則8の「聞き手にまわる。相手にどんどん自分のことを話させる」も参考になります。相手が興味を持ちそうな質問をもっとしてみましょう。日本のどんなところが一番好きですか?地元の観光地でお奨めのところは?お気に入りのレストランはどこですか?こうした質問で互いのこと、考え方や好きなものがわかり、好感を持たれる要因となる共通点を見つけるのに役立ちます。
アドバイスを求めるのもお勧めです。人間は他人からのアドバイスにはめったに従いませんが、アドバイスをするのは得意中の得意で、喜んでアドバイスする動物です。会った人にその人が勤める会社の得意分野は何か尋ねてみてください。文化的背景が異なるメンバーがいる場合に、強力なチームの文化を築く方法を尋ねてみてください。業界の現状について意見を求めてみてください。アベノミクスによる現在の株価の上昇は大きな下げの後の一時的な反発と思うか尋ねてみましょう。
好感のもてる方法で相手に働きかけることでブランドとビジネスはもとより、あなたを理解し気にかけてくれる人たちの強力なネットワークが生まれます。お試しあれ!!
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