JSHRMが提唱する「ザ・HRMナレッジ大系」が示す、人的資本経営時代におけるHRプロフェッショナルの必須条件
「ザ・HRMナレッジ大系」を構成する3つのファミリー
山﨑氏 JSHRMが、人事プロフェッショナルに必要な知識を体系化し、実務知識だけではなく人事哲学や関連理論の知識も含めてまとめた「ザ・HRMナレッジ大系」は、3つのファミリーで構成されています。大系の全体構造を示す「HRMナレッジ大系(神殿図)」、その構造を輪切りで説明する「HRMナレッジ・マップ(輪切り図)」、そして各項目を一覧で示す「HRMナレッジ・ディクショナリー(学習項目一覧)」です(図)。この神殿を輪切りにした「HRMナレッジ・マップ(輪切り図)」では、中心にあるのが先述の「人事戦略」と「人事哲学」となります。その周囲を衛星のように回っているのが人事にとって重要な「等級制度」・「業績管理」・「総報酬管理」・「雇用・就業区分」です。これらの基本制度を囲む内周に「職場管理」・「職務設計・開発」・「組織開発」といった組織マネジメントが、外周に「採用」・「配置」・「人材開発」・「人事評価」・「処遇」・「退出」といった個人に対するタレントマネジメントが位置づけられます。先述した神殿の内柱となる「人事機能」は、この内周と外周にあたるものです。さらに外柱の「人事施策」として、今日的な「デジタル推進関連」・「M&A」・「CSR」・「労働政策対応関連」といった施策が並びます。さらにその外側に「基礎理論」としてマクロからミクロに至るまで様々な学術領域があり、それらがそのように人事の実務といかに関連しているかを知ることが不可欠です。
以上の神殿構造に含まれる学習項目の詳細を示すのが「HRMナレッジ・ディクショナリー(学習項目一覧)」です。「ザ・HRMナレッジ大系」を1冊の本に例えるなら、先ほどの「HRMナレッジ・マップ(輪切り図)」は目次であり、各章・各節の詳細を説明するのがこの「ディクショナリー」となります。
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