いかに次世代リーダーを育成するか
最後に次世代リーダーの育成についてお話しします。私の経験上、ひとつ理解しておいてほしいのは、リーダーシップの有無は、生まれ持った性質である要素が多いです。しかしその中でも育成できる部分はあります。育成方法としては、例えば年度評価の対象にすることなどがおすすめです。どれだけInitiativeを取ったか、どれだけ会議で意見を述べたか――こういったことが評価対象になります。
そしてもう一つは、360度評価。上司だけでなく、同僚や部下など幅広く評価してもらうことが重要です。また私が実際に取り入れている手法としては、『People Day』の実行が挙げられます。これは例えば、幹部たちを集めて、朝から晩まで自分たちの部下について説明してもらうという施策なのですが、多様な観点で話し合うことができ、とても面白いです。そして何よりも重要なのが、危機管理に関する訓練でしょう。マネージャーが一番パワーを発揮するのは、「いざ」というときだけです。何か問題が発生したとき、どう対処するのか、そのスキルや説得力が問われます。また人前に立ってプレゼンする能力も重要です。トレーニングを通じて、こうした能力を高めることが、次世代リーダーの育成において大事だと思います。
リーダーとは人に認められ、チームや組織を率いる人。リーダーシップに近道はありません。
以上、ご静聴ありがとうございました。
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