19卒採用動向予測(インターンシップ)

では、19卒の採用動向予測のほうに進んでいきたいと思います。今回、経団連によるインターンシップの扱いが5日間以上の縛りが解かれ、1Dayも認められるようになったため、インターンシップに対する注目度がさらに高まっています。そうしたこともあり、19年卒採用でより重要になると思われる施策について聞いた結果、「インターンシップ」が初めてトップとなりました。また、「学内企業セミナー」や「キャリアセンターとの関係強化」、「理系研究室訪問」などの大学対策も依然上位につけています。実際のところ、19卒採用向けのインターンシップに関しては、「未定」企業がまだ残っているものの、中堅企業で16%、中小企業でも17%が新たに実施すると答えており、この傾向はさらに拡大するでしょう。

次に実施予定のインターンシップタイプについて聞いたところ、「5日間以上」の制約がなくなったことを受け、1Dayインターンシップ実施企業が圧倒的多数となりました。大企業では、1Dayインターンシップ実施企業のうち36%が今年から実施すると答えています。また、インターンシップ実施予定時期に関しては、現時点では「8月」が最多となっているものの、「未定」企業は後半しか実施できないことを考えると、18卒と同様に「2月」に実施する企業が最多となる見込みです。

19卒採用動向予測(面接・内定)

続いて、面接開始時期について見てみましょう。昨年の調査では、面接開始時期は「4月」が26%、「3月」が23%でしたが、今年は「3月」が30%で最多となっており、「4月」は20%に減少しました。大企業でも「3月」が29%で、26%の「4月」を上回っています。面接開始時期を前年と比較した場合、「早くなる」と答えた企業は28%となっており、昨年の調査では22%だったことから、さらに早期化に拍車がかかっているようです。

また、内定出し開始時期に関しては、「5月」が24%と最多ではありますが、「4月」までに内定出しを開始する予定の企業も45%あります。内定出し開始時期の前年比較では、「早くなる」と答えた企業が28%ある一方、「遅くなる」と答えた企業はわずか2%のみとなりました。サマーインターンシップによる早期接触者が大幅に増えることを考えると、前倒し傾向はこの程度では済まなくなると予想しています。

本日のまとめ

18卒採用に関しては、売り手市場で、応募者が減少、重複内定が増加し、内定辞退者が増加するでしょう。インターンシップは大幅に増加し、1Dayタイプに関しては、実質的には早期セミナーと変わりません。学生は応募を絞り込む傾向にあり、学生の半数以上が2社以上から内定(学校レベルに関係なく)を得ています。またインターンシップから内定を得る学生が増加。インターンシップ事前選考の不合格者のケアが重要。企業の内定充足率は企業規模で明暗を分けます。

一方、19卒採用の予測に関しては、インターンシップ(特に1Day型)が急増。夏も1Day型が主流になる。採用活動は18卒採用よりさらに早期化。面接、内定出しもさらに前倒し傾向となり、3月の就職ナビオープン以前の刷り込み活動が活発化すると予想されます。また、逆求人型サイトの活用など、マス型から個別型へと転換し、さらにAIを活用した選考元年になるでしょう。

それでは最後にここでアンケートを実施したいと思います。ここだけの話、エントリーシートや面接の合否連絡を、合格者のみに連絡して、不合格者には連絡しないことはありますか?いわゆる「サイレント」というものですね。お手元にあるボタンを押してください――。

結果を見てみましょう。「はい」が7%、「いいえ」が93%となりました。今回は非常に誠意のある企業が多いようです。

実は学生に聞いた「企業に改善してほしいことは?」というアンケートで、最も多かったのは、「サイレント通知をやめてほしい」ということでした。今日お集まりいただいた企業様では少なかったですが、世の中的にはサイレント通知の企業がもっと多いのではないでしょうか。

「はい」とお答えになった企業様も7%ほどいらっしゃいましたが、ぜひ来年からは、サイレントではない形で通知していただけたらと思います。

本日はお忙しい中、ご来場いただき誠にありがとうございました。

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