~うつの背景に潜む幅広いリスクにも着目する必要~
日本人の場合、メンタル不調といったときに、その多くは、うつ病と言われています。しかし、実際にメンタル不調になる人を見てみると、このようなタイプの人ばかりではありません。我々がある程度イメージしやすい上記のような、うつ予備軍タイプとは、まったく異なる、一見すると、陽気で明るく外向的なタイプの中にもメンタル不調リスクの高い人が存在します。精神疾患の多くは、診断の際に、生物学的マーカーがありません。つまり、血液検査により、○○指標の値がいくつ以上だから△△病、といった診断ができないのです。ですから、うつ病の診断書をもってきたとしても、本当にうつ病かどうかわからないところがあります。数か月カウンセリングを継続してようやく真因がわかるといった世界です。実際、不調をきたした方が別のクリニックへ行くと別の診断名をもらうということは、心療内科・精神科の分野では、珍しい事ではありません。
このような世界ですので、採用の際に気を付けるべきタイプを見極める際も、上記に記した、うつ予備軍タイプだけでは、不十分と考えます。昨今の企業の皆様の声を伺う中で、メンタル不調を起こしやすいタイプとして、「新型うつ」、「パーソナリティ障害」、「発達障害(自閉症スペクトラム傾向)」の三つのリスクはチェックが欠かせないと考えます。
新型うつは未だ臨床では病気として認められていませんが、実際に不調を来すという意味では多くのケースが見られています。そして、いわゆる旧来型のうつ病予備軍とは全く異なるタイプの発症するケースが多く、面接等でも見逃してしまいがちです。
また、パーソナリティ障害や発達障害は、二次障害や併発として、うつ病等メンタル疾患を発症しやすいことが知られています。これらのリスクも、メンタル不調が発症するリスクを徹底して調べるのであれば欠かせない視点です。グレーゾーン者を含めると、いずれも人口比数%から1割近くが該当すると言われている珍しくないタイプです。その詳細につきましては専門書、専門サイト等をご覧ください。
※発達障害につきましては、HRサミットにおけるダウンロード資料として、詳細ご案内しております。
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