Day4:さまざまな「企業文化」にどのように適応するか
●パネルディスカッションパネリスト
佐藤邦彦 氏(リクルートワークス研究所 Works編集長)
吉田 崇 氏(イグナイトアイ株式会社 代表取締役社長)
稲垣隆司
モデレータ
寺澤康介 氏(ProFuture株式会社 代表取締役社長、HR総研 所長)
<ディスカッションポイント>
【企業文化に合う人材を採用することは最重要か】
・「カルチャーフィット」よりも、「ジョブフィット/スキルフィット」の方が現在の雇用形態に合っているのではないか。
・企業文化と合わない人材は、入社してもモチベーションが上がらないのではないか。
・阿吽の呼吸や、暗黙知を企業文化とするのではなく、行動指針・判断基準を明確にしておけば、多様な人材も適応できるのではないか。
・自社の企業文化を明示化・可視化するためには、データを用いた検証が必要。
【日本の転職率が高まることはよいことなのか】
・自分のポテンシャルを最も発揮できる場所を探し、日本・世界全体での適材適所を探すべき。
・「組織」にコミットするのではなく、「自分のキャリア」にコミットするべきなのではないか。
・企業側は、人材が所属する意味・意義を明らかにすると人材のフィット率も高まるのではないか
・2枚目の名刺を持つ(複数のコミュニティに属する)のも有効である。
【企業に入る人が適応することよりも、既存の社員の受容は大切か】
・既存の社員が、入社する人のパフォーマンスを上げさせるように工夫をするのが理想。しかし、現実としては入る側が「覚悟」や「目的意識を」持つことも必要。
・「自社にとっての受容」を考える。すべてを受けいれることが「善」というわけではない。
・企業と個人の関係性をフラットにし、個人に向き合うことが重要(1対1の対話)。
<Day4のポイント>
■文化を可視化する
■個に合わせた適材適所を探す
■自社らしい「受容の定義」を設定する
最後に
現在は、新型コロナウイルス感染症の影響や、「VUCAの時代(※2)」といわれるように、将来の予測が困難になっている状態である。そのような世の中で、以下の言葉が思い出される。「この世に生き残る生き物は、最も力の強いものか。そうではない。最も頭のいいものか。そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ」
「進化論」を唱えたダーウィンの言葉だ。日本では、2020年3月から世の中の常識が一変した。この数ヵ月ほどこの言葉を痛切に感じた日々は、かつてなかったであろう。我々は「CQ(異文化適応力)」を鍵に、今の世の中に必要な一手を模索していきたいと思う。
※2「VUCA」:Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)の4語それぞれの頭文字をとって作られた造語。
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