長期化・煩雑化する採用業務。効率化のためには何が必要か?

通年採用競争は学生と「長くゆるくつながる」ことで勝ち抜ける。時代の変化に対応するため、人事採用担当者は何をすべきか
鈴木氏 採用活動が「日常化」する中、学生さんと「長くカジュアルなつながりを持つ」ことが大切というお話でしたが、企業としてはまさに常時採用活動をしている状態になるともいえます。そうなると、人事採用担当者としては煩雑化する業務に対してどう対応するのか、頭痛の種になりますね。

曽和氏 効果的に通年採用を進めるためには、2つのポイントがあると思います。まずは、「デジタル化」。たとえば、会社説明会を動画にして、アクセスできるようにしておくことは1つの手です。また、動画面接やAI面接などを取り入れる企業もあります。

そして、内定者やインターンシップに来てくれた人への定期的なコミュニケーションでは、以前は月1回開催していたオフラインの懇親会を、たとえば「LINE採用コネクト」を活用したオンライン型にすると参加のハードルがグッと下がります。このように、デジタルを活用することで「時間と空間を超えた」取り組みができるようになるのです。

鈴木氏 時間と場所にとらわれないことは、学生さんにとってもメリットが大きいですね。スーツに着替えて会社説明会に足を運ぶ、というのは彼らにとっても大きな負担ですし、接触できる企業の数も限られてしまいます。その点、オンライン会社説明会ならば、空いた時間に手軽に、多くの企業と接点を持つことができます。

曽和氏 もう1つのポイントは、「採用マンパワーのポートフォリオの再構築」です。人事部のリソースは有限ですから、今までと同じ時間配分、人員配分では立ち行きません。ポートフォリオを効果的に組み直すことで対処していくしかないと思います。

これまで新卒採用担当者は、会社説明会や一次面接など、採用フローの中であまりコアではない雑務や、スケジュール調整などの採用事務に時間をかけすぎていました。時期がある程度決まっていれば、それでもどうにかできますが、今後進んでいく採用の日常化には対応できません。そうしたところは、どんどん「オンライン化」「デジタル化」する必要があります。

逆にリソースを割くべきところは、学生さんと1to1で動機づけをしていくところ、「本当にこの人でいいのか」という最後の見極め、そして採用プロセス全体の最適化といったところです。

鈴木氏 「働き方改革」も進んでいますから、何に人的リソースを割くか、何をデジタル化していくのかは死活問題ですね。採用事務など、誰がやっても変動が少ない業務は、「LINE採用コネクト」でも効率化のお手伝いができます。学生個々に合わせて、日程調整やリマインド連絡の自動化はもちろん、会社説明会のコンテンツをLINEのトーク画面上に集約することも可能です。

曽和氏 そうしたデジタルの力を活用することで、1人が100人200人分の仕事をすることができるはずです。

コミュニケーションの「入口」を学生に合わせることが、距離を縮める第一歩

通年採用競争は学生と「長くゆるくつながる」ことで勝ち抜ける。時代の変化に対応するため、人事採用担当者は何をすべきか
鈴木氏 また、企業が学生さんたちとの日常的な接点をうまく活用することも大切だと考えています。内定者やゼミの先輩からのリファラル採用はもちろんのこと、店舗を持つ企業ならば、多くのアルバイト学生と接点を持てるはずです。このアルバイトは、日常的に接点を持つ大きな母集団なのに、現状では上手に生かせている企業が少ないように思います。

曽和氏 「出会い」を活かしきれていないケースは散見されますね。大手外食企業さんなどは、アルバイトスタッフを多く抱えているにもかかわらず、ナビサイトではなかなか学生さんが集まらず苦戦していらっしゃいます。これは、つながりに偏りがあることも一因です。店長とアルバイトスタッフは、シフト作成などの便宜上の連絡手段として、LINEなどのコミュニケーションツールでつながっています。しかし、本部とはつながっていないことがほとんどです。

鈴木氏 そうなると、学生さんは自分が働く店舗しか見えませんから、狭い範囲の情報だけで判断してしまいますよね。企業が意識して正しいコミュニケーションを取ることができれば、今までは「アルバイト先≠就職先」となっていた学生さんの意識も変わるかもしれません。そうした、日常の出会いを育てていくという努力も必要だと思います。

曽和氏 しかし、これだけテクノロジーが発展して、LINEのような手軽に接点を持てる手段があるにもかかわらず、残念なことに、未だに昔ながらの採用の様式美に縛られている企業は多いです。しかも、決裁権を持つ役職の人ほど、「履歴書は手書きであるべき」、「スーツを着て対面で会社説明会をすべき」という意識を強くもっていることがありますね。しかしもう、企業の論理に学生さんを一方的に従わせる時代ではありません。旧来の価値観からの脱却が必要です。

鈴木氏 コミュニケーション1つをとってもそうですよね。ありがたいことに、学生さんたちには、LINEを日常的に活用していただいています。片や、メールの利用率は年々低下しています。しかし、企業が採用活動において利用しているツールは、未だにメールや電話が主体です。いくらメールを自動化しても、このギャップを埋めない限り効果は上がりませんし、学生さんとの距離も縮まりません。まずはコミュニケーションの入口を合わせること。それだけで、段違いにスムーズになるはず。ごくシンプルな話だと思います。

「ゆるくつながる」仕組みは「LINE採用コネクト」でつくる

通年採用競争は学生と「長くゆるくつながる」ことで勝ち抜ける。時代の変化に対応するため、人事採用担当者は何をすべきか
曽和氏 LINEのようなカジュアルな接点を持てる手段を活用するには、テキストベースで相手の心を掴む力も必要になってきます。企業規模に関係なく、人事採用担当者の「人」の力で勝負できるため、中小企業にもチャンスが広がるでしょう。

鈴木氏 同感です。働く人の魅力や、本音に近い生々しい情報は、学生さんも知りたがっています。従来の形式では知りえなかった情報を、LINEがチャットツールとして表現できる面があると思います。

曽和氏 フォーマルな採用の場では、なかなかお互いに素の部分を見せられませんでした。「いつ足を崩していいのか」見合っているような状態ですね。それがLINEでコミュニケーションを取ることで、会社説明会で全員スーツを着て着席している場では絶対に聞けない、ある種「くだけた質問」もできるようになると思います。

鈴木氏 学生さんと話をしていても、それを感じます。本当は聞いてみたいことがあるけれど、従来のスキームでは、名前と大学名を明かして質問せざるをえません。すると、「選考に関わるのではないか」と恐れて、聞きたいことが聞けなくなってしまいます。これは、企業にとっても、学生さんを惹きつける機会を逸しているのではないでしょうか。ゆるくつながる中で、匿名性も担保されているからこそ気軽に質問できる。そういう場を、私たちが「LINE採用コネクト」で作ることができればいいと思います。

曽和氏 そうして「ゆるくつながる」仕組みができれば、選考していなくてもお互いを知り、最終面接だけで内定、ということも出てくるでしょう。よく、インターンシップや説明会で出会ったばかりの学生さんに対して「うち受けてみる?」と聞く人事採用担当者がいらっしゃいます。それは普通の行動でしょう。しかし、先ほどの自由恋愛の話に置き換えてみれば、まだお互い良く知らない段階から「付き合う?」と言うようなものです。最初から応募させて、選考フローに乗せるのではなく、まずは「うちの社員に会ってみない?」から始めて、つながりを持つことが大切だと思います。

鈴木氏 お客様から「ナビサイトの応募を移行したい」、「選考管理ツールとして使いたい」という声をよくいただくのですが、「LINE採用コネクト」は、そうした業務効率化ツールとしてはもちろんのこと、曽和さんがおっしゃる通り、選考に入る前の「ゆるくつながる」段階から使っていただけます。

曽和氏 本当は「型」がある方が、企業としては楽ですよね。特に私たちの世代は、若者とフラットにコミュニケーションを取ることに恐れがあったりします。しかし、それはスタンスの問題ですから、思い切って踏み出せばいいだけの話です。

何より、通年採用の中でライバルたちと差別化を図るためには、今すぐ「LINE採用コネクト」を使い始めた方がいいと思います。数年もすればナビサイトのように当たり前のツールになっていくはずですが、現時点ではまだ使っている企業=ライバルはそこまで多くありません。先行の利を勝ち取るためにも、今すぐ始めて、使いこなせるようになっておくことが必要だと思います。

鈴木氏 旧来の採用の「型」を取り除くためにも、私たちサービス開発者が、もう一歩頑張っていかねばなりませんね。本日はありがとうございました!
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