企業の新卒採用活動が本格化している2024年春。タイパ重視など独特の価値観を持つZ世代の25卒学生はどのような就職活動を行っているのだろうか。
HR総研と「楽天みん就」(現「みん就」)では、25卒学生の「就職活動」と「就職意識」の最新動向を把握するためのアンケートを実施した。前回の「就職活動」に関するレポートに続いて、今回は「就職意識」の調査結果について、フリーコメントも含めて以下に報告する。

就職活動を「楽観視」は理系に顕著に多い、楽観視する理由とは?

まず、25卒学生が持つ就職活動に対する所感の傾向を見てみる。
文系・理系別に見ると、文系は「不安である」が最多で30%、次いで「やや不安である」が28%となっており、これらを合計して「不安視派」の割合は58%と6割近くに上っている。一方、理系では「やや楽観している」が最多で29%となっており、次いで「楽観している」が22%で、これらを合計した「楽観視派」の割合は51%に上っている。したがって、文系では「不安視派」が顕著に多く、理系では「楽観視派」が過半数となり、文系・理系で真逆の所感を持っている傾向がうかがえる(図表1-1)。

【図表1-1】就職活動に対する所感

HR総研×みん就:2025年卒学生の就職活動動向調査(3月)結果報告【就職意識編】

就職活動に対して「楽観視派」である理由については、文系では「すでに志望する企業から内定(内々定)が出ている」が最多で41%と4割に上り、次いで「志望する企業の選考が順調に進んでいる」と「オンラインでの就職活動が可能となり、効率的に活動できる」がともに32%と3割程度に上っている。理系でも「すでに志望する企業から内定(内々定)が出ている」が最多で43%と4割以上で、次いで「志望する企業の選考が順調に進んでいる」と「インターンシップへの参加で有利になっている」がともに33%と3割以上に上っている(図表1-2)。

【図表1-2】就職活動に対して「楽観視派」である理由

HR総研×みん就:2025年卒学生の就職活動動向調査(3月)結果報告【就職意識編】

一方、就職活動に対して「不安視派」である理由としては、文系では「面接が苦手だから」が最多で47%、次いで「内定を得られるか不安なので多くの企業にエントリーする必要がある」が45%、「エントリーシートが大変そう」と「自己分析ができていないから」がともに43%と、いずれも4割以上に上っている。理系では「内定を得られるか不安なので多くの企業にエントリーする必要がある」が最多で54%、次いで「面接が苦手だから」と「エントリーシートが大変そう」がともに38%となっている(図表1-3)。

【図表1-3】就職活動に対して「不安視派」である理由

HR総研×みん就:2025年卒学生の就職活動動向調査(3月)結果報告【就職意識編】

志望企業の企業規模は「大手企業」が7割程度以上、依然として理系で顕著な傾向

志望企業の企業規模については、文系・理系ともに「できれば大手企業に行きたい」が最多で49%とほぼ半数に上っている。次いで、文系では「企業規模は問わない」が23%であるのに対して、理系では「絶対大手企業に行きたい」が29%となっており、「大手企業に行きたい」(「できれば大手企業に行きたい」と「絶対大手企業に行きたい」の合計)とする理系の割合は78%と8割近くにも上っている。この割合は文系の68%より10ポイント多く、例年同様に文系より理系の方が大手志向の学生が多いことがうかがえる(図表2)。

【図表2】志望企業の企業規模

HR総研×みん就:2025年卒学生の就職活動動向調査(3月)結果報告【就職意識編】

企業選びで最も重視するのは「仕事の魅力」、文系と理系の違いも

志望企業の選定時に最も重視する項目を見てみると、文系では「仕事の魅力」が最多で44%であるのに対して、理系では「仕事の魅力」とともに「会社の魅力」が34%で最多となっている。また、「雇用の魅力」は文系では17%と2割未満であるのに対して、理系では29%とほぼ3割に上っているなど、文系と理系で最も重視する項目に異なる傾向が見られている(図表3-1)。

【図表3-1】志望企業の選定時に最も重視する項目

HR総研×みん就:2025年卒学生の就職活動動向調査(3月)結果報告【就職意識編】

次に、志望企業の選定時に最も重視する「仕事の魅力」については、最も多く挙がる項目は文系・理系ともに「仕事が面白そう」でそれぞれ33%、37%と3~4割近くに上っている(図表3-2)。

【図表3-2】志望企業の選定時に最も重視する「仕事の魅力」

HR総研×みん就:2025年卒学生の就職活動動向調査(3月)結果報告【就職意識編】

志望企業の選定時に最も重視する「会社の魅力」については、文系・理系ともに「安定している」が最多で49%とほぼ半数に上っている。これに次いで多いのは、文系では「成長性が高い」が20%である一方、理系では「技術力・サービスが優れている」が20%となり、異なる項目が挙げられている。理系では特に、自身の専門性を活かせる仕事を探す中で、企業が持つ技術力等に注目しやすい傾向にあるのだろう(図表3-3)。

【図表3-3】志望企業の選定時に最も重視する「会社の魅力」

HR総研×みん就:2025年卒学生の就職活動動向調査(3月)結果報告【就職意識編】

理系で重視する割合が比較的高かった「雇用の魅力」についても、志望企業の選定時に最も重視するポイントを確認してみたところ、文系では「社風・居心地が良い」が最多で33%であるのに対して、理系では「年収が高い」が最多で29%となっており、理系学生は待遇面をシビアに見ていることがうかがえる(図表3-4)。このように、文系と理系では「雇用の魅力」についても求めるものが異なる傾向が示されている。

【図表3-4】志望企業の選定時に最も重視する「雇用の魅力」

HR総研×みん就:2025年卒学生の就職活動動向調査(3月)結果報告【就職意識編】

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HRプロとは

【調査概要】

アンケート名称:【HR総研×みん就】2025年卒学生の就職活動動向調査(3月)
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)、楽天グループ株式会社(現みん就株式会社)
調査期間:2024年3月6~21日
調査方法:WEBアンケート
調査対象:2025年卒業予定の「楽天みん就」(現「みん就」)会員学生
有効回答:122件

※HR総研では、人事の皆様の業務改善や経営に貢献する調査を実施しております。本レポート内容は、会員の皆様の活動に役立てるために引用、参照いただけます。その場合、下記要項にてお願いいたします。
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Eメール:souken@hrpro.co.jp

※HR総研では、当調査に関わる集計データのご提供(有償)を行っております。
詳細につきましては、上記メールアドレスまでお問合せください。

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