政府主導による現行の「就活ルール」において、2024年新卒採用の広報解禁となり採用活動がさらに活発化した2023年3月。学生の就活動向はどのような状態にあったのだろうか。
HR総研と楽天みん就は、2024年新卒学生(以降、24卒学生)の就活動向の実態を明らかにするため、2023年3月に楽天みん就会員である24卒学生を対象としたアンケートを実施した。本調査結果について「就職活動編」と「就職意識編」の2本に分けてレポートする。1本目の本レポートでは、24卒学生の「就職活動編」についてフリーコメントを含めて報告する。

<概要>
●2023年3月までに理系学生の6割が「企業の選考面接」に進む、文系では半数未満
●インターンシップ情報の入手先、理系学生の6割は「就職ナビ」と「企業のHP」
●望ましいインターンシップ形式は圧倒的に「対面型」
●学生の9割がインターンシップ参加企業にエントリー
●最も活用している就職ナビに「マイナビ」がトップ
●合同説明会への参加に消極的、就職ナビ主催の対面型では理系8割が「参加しない」
●企業個別セミナーへの参加、「4社以上」が6割
●早期内定の獲得では「インターンシップ」がカギ
●内定承諾を理系6割が決断も、文系では3割にとどまる
●8割近くの学生が「ガクチカ」に取り組めた、ボランティアやビジコンも

2023年3月までに理系学生の6割が「企業の選考面接」に進む、文系では半数未満

まず、24卒学生が就職活動を始めた時期を見てみる。
「学部3年生5月以前」の割合は文系18%、理系24%で、理系の方が6ポイントとやや高いものの、「学部3年生6月」まで(「学部3年生5月以前」と「学部3年生6月」の合計)の割合は文系43%、理系45%でほぼ同等となり、いずれも4割以上に上っている(図表1-1)。この時期から夏のインターンシップ参加への応募を始めている学生が多いのだろう。

【図表1-1】就職活動を始めた時期

HR総研×楽天みん就:2024年卒学生の就職活動動向調査 結果報告【就職活動編】

2023年3月時点までに就職活動として既に行ったもの上位10項目を見てみると、「『リクナビ』『マイナビ』などの就職ナビへの登録」が最多で、文系92%、理系96%とともに9割以上でほとんどの学生が行っている。これに次いで「インターンシップへの応募・参加」が文系71%、理系80%で、こちらも7割以上と大多数の学生が行っており、文系と理系で顕著な違いはないことが分かる。ただし、「企業の選考面接」や「企業の採用適性検査受検」については文系48%と半数未満であるのに対して、理系は61%、60%と6割に上っており、理系の方が文系より早く選考ステップが進んでいる傾向にあることがうかがえる(図表1-2)。

【図表1-2】就職活動として既に行ったもの上位10項目(2023年3月時点)

HR総研×楽天みん就:2024年卒学生の就職活動動向調査 結果報告【就職活動編】

インターンシップ情報の入手先、理系学生の6割は「就職ナビ」と「企業のHP」

2023年3月時点までに参加したインターンシップの社数については、「0社(応募をしていない)」の割合は、対面型では文系は29%と3割となる一方、理系では21%と2割でオンライン型の割合と同等となっている。
対面型での参加社数で最も多いのは文系・理系ともに「1社」で、それぞれ21%、27%となっている。これに対してオンライン型では文系・理系ともに「4~6社」が最も多く、それぞれ15%、23%となっている。この傾向は昨年調査時の23卒学生と同様で、対面型よりオンライン型でインターンシップに参加した学生が多いことがうかがえる。ただし、「0社(応募はした)」の割合は対面では文系10%、理系13%に対して、オンライン型では文系・理系ともに5%未満でそれぞれ4%、3%となっており、応募した企業に落選またはキャンセルしたことで、対面型のインターンシップに一つも参加できなかった学生の割合が、オンライン型の場合より高かったことも推測される(図表2-1)。

【図表2-1】これまでに参加したインターンシップの社数(2023年3月時点)

HR総研×楽天みん就:2024年卒学生の就職活動動向調査 結果報告【就職活動編】

インターンシップ情報の入手先は、「就職ナビ」が最多で文系64%、理系57%と6割前後に上っている。文系ではこれに次いで「企業のホームページ」が38%で挙がっているが、理系では57%と「就職ナビ」と同率1位の割合となっており、文系より理系の方が、関心のある企業のホームページを直接見にいってインターンシップの情報を得ている学生が多いことがうかがえる。また、「研究室・ゼミ」の割合も文系(5%)より理系の方が顕著に高く、理系では「就職ナビ」と「企業のホームページ」に次いで22%に上っていることも特徴的である(図表2-2)。

【図表2-2】インターンシップ情報の入手先(情報源)

HR総研×楽天みん就:2024年卒学生の就職活動動向調査 結果報告【就職活動編】

望ましいインターンシップ形式は圧倒的に「対面型」

24卒学生が参加したインターンシップの社数としては対面型よりオンライン型の方が顕著に多い傾向が見られたが、参加した結果、どちらのタイプが望ましいと思ったかを見てみると、圧倒的に「対面型」が多いことが分かる。文系では60%、理系では71%の学生が「対面型」のインターンシップの方が望ましいと回答している(図表3-1)。

【図表3-1】対面型とオンライン型では、どちらのインターンシップが望ましいか

HR総研×楽天みん就:2024年卒学生の就職活動動向調査 結果報告【就職活動編】

「対面型」と「オンライン型」のそれぞれのインターンシップが望ましいとする理由について、フリーコメントでの意見を見てみると、「対面型」が良い理由には「会社の雰囲気を肌で感じられる」「参加学生同士の交流をしやすい」などコミュニケーションに関わる意見が多くあり、「オンライン型」が良い理由には「移動時間がかからない」「交通費がかからない」「気軽にいつでも参加できる」などの利便性に関する意見が多く見られた(図表3-2)。

【図表3-2】望ましいインターンシップ実施形式の理由(一部抜粋)

望ましい形式望ましいと思う理由文理区分大学区分
対面型実際に社員の方と話したり、会社に通ってみたりすることによって働くイメージが分かるから。また、対面のほうが学生同士仲良くなりやすく、一緒に働く学生のレベルや雰囲気も理解できるから文系旧帝大クラス
対面型実際に本社に足を運ぶことで、社内の様子を知ることができるから文系上位私立大
対面型印象に残りやすい、聞きにくいことも対面なら聞きやすいから文系中堅私立大
対面型オンライン型で得られる情報は,インターンシップという形でなくとも得られるものが多いと思うから理系旧帝大クラス
対面型やはり社内の雰囲気が知れることや、学生の交流によって刺激を得られることがインターンシップの良さだと思いますので、対面が良いと思います理系上位国公立大
対面型たくさんの学生と話せて楽しい理系その他国公立大
オンライン型服装なマナーの確認が面倒文系上位国公立大
オンライン型リラックスして臨めるから。どこからでも気軽に参加できるから文系上位私立大
オンライン型移動時間を省くことができ、その分を他の作業に充てることができるから文系中堅私立大
オンライン型figjamやmiroのようなコラボレーションアプリを使用しやすく、夜中でもチームなどで通話をして作業を進められるから文系その他私立大
オンライン型交通費が浮くから理系旧帝大クラス
オンライン型地方に住んでいるため理系上位国公立大
オンライン型自宅にいながら多くの企業のことを知ることができるから理系中堅私立大

学生の9割がインターンシップ参加企業にエントリー

インターンシップに参加した企業の採用選考にエントリーしたかを見てみると、文系・理系ともに「半数以上の企業にエントリーした(する予定)」が最も多く、それぞれ45%、44%と4割以上となっている。一方、「1社もエントリーするつもりはない」は文系・理系ともに1割以下で、インターンシップに参加した企業の少なくとも1社以上にはエントリーしている学生が、9割以上と大多数であることが分かる(図表4)。

【図表4】インターンシップに参加した企業へのエントリー状況

HR総研×楽天みん就:2024年卒学生の就職活動動向調査 結果報告【就職活動編】

最も活用している就職ナビに「マイナビ」がトップ

24卒学生が「就職活動中に活用している就職ナビや逆求人型サイト」については、「マイナビ」が文系・理系ともに最多でそれぞれ71%、63%に上っている。これに次いで「楽天みん就」が文系56%、理系61%で、「リクナビ」が文系55%、理系54%、理系では「ONE CAREER」も61%で同率3位となっている(図表5-1)。

【図表5-1】就職活動中に活用している就職ナビや逆求人型サイト

HR総研×楽天みん就:2024年卒学生の就職活動動向調査 結果報告【就職活動編】

次に、利用している中で「最も活用している就職ナビや逆求人型サイト」を見てみると、「マイナビ」がトップで文系48%、理系28%となり、文系の方が顕著に高く半数近くに上っている。これに次いで「ONE CAREER」は文系より理系の割合の方が高く、文系17%に対して理系22%となっている。3位の「リクナビ」は文系8%、理系11%となり、「マイナビ」と大きな差が開いている(図表5-2)。
最も活用している就職ナビや逆求人型サイトとして選んだ理由は、上位5位のサイトについて、フリーコメントで得られた主な意見を以下に紹介する(図表5-3)

【図表5-2】最も活用している就職ナビや逆求人型サイトTOP10

HR総研×楽天みん就:2024年卒学生の就職活動動向調査 結果報告【就職活動編】

【図表5-3】最も活用している就職ナビや逆求人型サイトとして選んだ理由(一部抜粋)

「最も活用している」就職ナビ選んだ理由文理区分大学区分
マイナビメジャーだから文系上位国公立大
マイナビESが企業に出せる。合う企業が多い文系早慶大クラス
マイナビ学校から指定されたから文系その他国公立大
マイナビ"地方の企業も多数掲載されているから。合同説明会を多数開催しており、信頼できるから"文系その他国公立大
マイナビエントリー予定の企業についての情報管理が最も行いやすいから文系その他私立大
マイナビみんなが使っており、わかりやすいから理系中堅私立大
ONE CAREERエントリーシートや面接対策の参考になるから文系早慶大クラス
ONE CAREER過去のESや試験問題の形式などを一括で確認することができるため理系旧帝大クラス
ONE CAREER過去の就活生の体験談が充実しており、参考になるから理系早慶大クラス
ONE CAREER選考フローなどが見やすいため理系その他国公立大
ONE CAREER気軽に企業の評判等を確認できる理系その他国公立大
リクナビ使用しやすいため文系中堅私立大
リクナビ大手だから文系その他私立大
リクナビ情報掲載量が多く、OpenESなどが使いやすいと感じるため理系その他国公立大
楽天みん就就職活動における手続きやインターンシップ手続きにおいて、体験談が比較的豊富で参考になるから理系旧帝大クラス
楽天みん就先輩方の面接の体験記が多く載っているため理系中堅私立大
楽天みん就リアルタイムの声を聴ける理系その他私立大
OfferBox最も適切なオファーが来るから文系旧帝大クラス
OfferBox自分を良く思っていただいている企業からのスカウトが来るため、ミスマッチがほとんどなく無駄を省ける文系中堅私立大
OfferBox社員の方と一対一でお話する機会があり、連絡が容易になっているため理系上位私立大

合同説明会への参加に消極的、就職ナビ主催の対面型では理系8割が「参加しない」

2023年3月時点における学内の(合同)企業説明会への参加状況を見てみると、「参加しない」が最も多く文系49%、理系55%と半数程度以上に上っている(図表6-1)。

【図表6-1】学内の(合同)企業説明会への参加状況(2023年3月時点)

HR総研×楽天みん就:2024年卒学生の就職活動動向調査 結果報告【就職活動編】

次に、就職ナビが主催する合同企業説明会への参加状況については、対面型では「参加しない」が圧倒的で、文系60%、理系82%と8割以上にも上っている(図表6-2)。
一方、オンライン型でも「参加しない」が最多となっているものの、文系では「参加した/参加する予定」とする学生が51%と半数程度いる。ただし、理系では「参加しない」が58%と6割近くに上り、対面型より割合が低いものの参加しない学生が多数派であることがうかがえる(図表6-3)。

【図表6-2】就職ナビが主催する【対面型】の合同企業説明会への参加状況

HR総研×楽天みん就:2024年卒学生の就職活動動向調査 結果報告【就職活動編】

【図表6-3】就職ナビが主催する【オンライン型】の合同企業説明会への参加状況

HR総研×楽天みん就:2024年卒学生の就職活動動向調査 結果報告【就職活動編】

企業個別セミナーへの参加、「4社以上」が6割

企業が個別に実施するセミナーや会社説明会への参加社数を見てみると、「0社」は文系・理系ともに13%で1割程度にとどまり、大多数の学生が少なくとも1社以上に参加していることが分かる。その中で最も多いのは「6~10社」で文系は22%と2割、理系は26%と4分の1となっている。また、「4社以上」(「4~5社」~「21社以上」の合計)に参加した学生は文系で66%、理系で58%と6割程度以上を占めており、関心のある企業の個別セミナーや会社説明会に積極的に参加している傾向がうかがえる(図表7)。

【図表7-1】企業が個別に実施するセミナーや会社説明会への参加社数

HR総研×楽天みん就:2024年卒学生の就職活動動向調査 結果報告【就職活動編】

次に、2023年3月時点で既に採用選考の面接を受けた社数については、「0社」が最多で文系32%、理系29%といずれも3割程度が3月時点では面接選考を受けたことがない状態であった。一方、「3社」以上の面接を受けた学生の割合(「3社」~「21社以上」の合計)を見ると、文系41%、理系49%であり、文系より理系の方がやや多くの学生が複数の面接選考に進んでいることがうかがえる(図表7-2)。

【図表7-2】これまでに採用選考の面接を受けた社数(2023年3月)

HR総研×楽天みん就:2024年卒学生の就職活動動向調査 結果報告【就職活動編】

早期内定の獲得では「インターンシップ」がカギ

ここからは、内定(内々定)の状況を見ていく。
まず、2023年3月時点で既に内定(内々定)を受けた社数については、「0社」が圧倒的に多く、文系67%、理系53%なっている。特に文系では7割近くが1社からも内定を受けていない状況にあったことがうかがえる。前述のとおり、理系の方が3社以上の面接を受けたことのある割合が高く、採用選考のステップを早く進んでいる傾向がうかがえ、内定獲得も理系の方が多いことからも、企業が理系学生の獲得を先行して行っていることが推測される(図表8-1)。

【図表8-1】現時点で既に内定(内々定)を受けた社数(2023年3月)

HR総研×楽天みん就:2024年卒学生の就職活動動向調査 結果報告【就職活動編】

次に、内定(内々定)を受けた企業への応募の経由先については、「逆求人サイトのオファー経由」で選考を受けた社数は、73%と7割以上が「0社」であるのに対して、「インターンシップ経由」で選考を受けた社数は、「1社」が最多で46%と半数近くに上る一方、「0社」は25%にとどまっている。2023年3月という早期で内定を受けた学生においては、インターンシップへの参加を経て採用選考に応募した学生が多いことが推測される(図表8-2)。

【図表8-2】内定(内々定)を受けた企業への応募の経由先

HR総研×楽天みん就:2024年卒学生の就職活動動向調査 結果報告【就職活動編】

さらに、内定(内々定)を受けた企業について、採用選考までにあった企業との接点を見てみると、文系・理系ともに「オンライン型インターンシップ」が最多で文系55%、理系58%となり、次いで「対面型インターンシップ」が文系30%、理系49%で、理系の方が顕著に対面型インターンシップに参加していた割合が高い傾向となっている(図表8-3)。

【図表8-3】内定(内々定)を受けた企業について、採用選考までにあった接点

HR総研×楽天みん就:2024年卒学生の就職活動動向調査 結果報告【就職活動編】

内定承諾を理系6割が決断も、文系では3割にとどまる

2023年3月時点で既に1社以上から内定を受けた学生について、内定承諾の状況を見てみると、文系では「まだ決めかねており、就職活動を続ける」が63%と6割を占めており、内定先に内定承諾することなく、より志望度の高い企業の選考に向けた就職活動を継続している学生が多くなっている。一方、理系では「内定承諾した、もしくは、内定承諾する企業を決めた」が57%と6割近くに上っていて、さらに「まだ決めかねているが、就職活動は終了した」まで合わせると64%が就職活動を終了していることが分かる(図表9-1)。
3月時点という早期内定者においては、理系学生の方が内定先への志望度が高く、迷いなく入社を決断できていることが推測される。

【図表9-1】内定(内々定)を受けた企業への内定承諾の状況

HR総研×楽天みん就:2024年卒学生の就職活動動向調査 結果報告【就職活動編】

それでは、まだ内定承諾をしていない学生は、なぜ内定承諾を決めかねているのだろうか。
内定承諾を決めかねている理由について、フリーコメントでの主な意見を以下に紹介する(図表9-2)。

【図表9-2】内定承諾を決めかねている理由(一部抜粋)

内定承諾を決めかねている理由文理区分大学区分
勤務地について地元で働くか、地元を出るか迷っているため、幅広く企業を見る必要があるから文系旧帝大クラス
公務員試験を受験するため文系旧帝大クラス
他に志望している企業があるから文系上位私立大
面接練習用企業のため文系上位私立大
他に行きたい企業があるから。内定先は本命じゃなく安心材料だから文系中堅私立大
就活を通した自己成長を目指し、大手も受けてみたいと考えているため文系中堅私立大
第一志望から内々定をもらったものの、いわゆるオワハラにあたることをされたから文系その他私立大
年収が低い理系旧帝大クラス
業界も職種も異なる他社と迷っており、その選考はまだ始まったばかりだから理系早慶大クラス
現在、研究活動に忙しく、ゆっくり考える時間が欲しいため理系上位私立大
進学と迷う理系中堅私立大
就活の軸が変わったため理系中堅私立大

8割近くの学生が「ガクチカ」に取り組めた、ボランティアやビジコンも

最後に、コロナ禍での大学生活を送る中、コロナ禍以前より「ガクチカ」(学生生活で力を入れて頑張っていること)に取り組みづらい状況が懸念されていたことを踏まえ、24卒学生の「ガクチカ」への取り組み状況を見てみる。
文系・理系ともに「コロナ禍に関係なく取り組めた」が最も多く、文系44%、理系57%となり、理系では6割近くもの学生が問題なく取り組めていた。文系では「コロナ禍で新たに見つけ、取り組めた」の割合が理系より高く32%で、「コロナ禍に関係なく取り組めた」と合わせると76%と8割近くの学生がコロナ禍でもガクチカに取り組めていたことが分かる。また、理系でも同様に見ると79%と8割が取り組めていた(図表10-1)。
取り組めた「ガクチカ」の内容について、フリーコメントで回答された主なものを以下に紹介する(図表10-2)。サークル活動が多く挙げられる中、新型コロナ関連のボランティアやビジネスコンテストへの参加、アプリ開発、さらには起業など、独自の取組みも見られる。

【図表10-1】「ガクチカ」への取り組み状況

HR総研×楽天みん就:2024年卒学生の就職活動動向調査 結果報告【就職活動編】

【図表10-2】取り組んだ「ガクチカ」の内容(一部抜粋)

取り組んだ「ガクチカ」の内容文理区分大学区分
アルバイトでの活動文系上位国公立大
ビジネスコンテストに参加しました文系上位国公立大
インターン、サークル。コロナだからといって何ができなかったというかは分からない文系早慶大クラス
ボランティア活動、バイト、NPOインターン、地域活性化インターンなどに問題なく取り組むことができた文系早慶大クラス
人材業での就活エージェントとしての活動文系上位私立大
留学文系上位私立大
よさこいサークルに所属して、毎日家にいることがないくらい充実して活動できた文系その他私立大
TOEICの点数の向上。たくさんアルバイトをしてたくさんの知識や経験を身につけた文系その他私立大
サークル代表の経験理系旧帝大クラス
学習室の設立理系旧帝大クラス
新型コロナ関連のボランティア経験理系早慶大クラス
プログラミング理系上位国公立大
アプリケーションの作成理系その他私立大

【HR総研 客員研究員からの分析コメント】

  • 曽和 利光氏

    株式会社人材研究所 代表取締役社長/HR総研 客員研究員 曽和 利光氏

    インターンシップの重要性が顕著に高まっている
    今回の調査で顕著だったのは早期の採用活動、特にインターンシップの重要性の高まりだ。

    まず、以前は早期の就活の中心であった合説に学生が消極的である一方(例えば、対面合説は理系の8割が「参加しない」と回答)、インターンは文系で約7割、理系で約8割と多くの学生が応募・参加しており、「就職活動はまずインターンシップから」は完全に定着した。

    また、ナビ解禁の3月までに内定が出た人(文系約3割、理系約5割)のうち、文系で約3割、理系で約6割が内定受諾をしている。単純計算すれば、就職活動生全体のうち、文系は約1割、理系は約3割が3月時点で進路を決めているということだ。この早期内定者の多くはインターン参加者からで、率にして75%にものぼる。逆求人からの内定者は3割程度と考えると、早期に内定者を出すためのインターンの重要性がここでもわかる。

    インターンを企画するポイントは、対面かオンラインかだ。学生希望では対面が圧倒的だが(文系6割、理系7割が対面を希望)、実際に対面インターンに参加した社数は1社が最大で、オンライン(4~6社が最大)と比べてかなり少ない。これは負荷のかかる対面インターンに学生はたくさん参加することはできないということが背景にありそうだ。

    そう考えると、学生への知名度が不足している企業が対面のインターンを企画しても、並み居る大企業・有名企業にすべて学生を持っていかれる可能性もあるため、学生も参加しやすく、企業も受け入れやすいオンラインインターンシップの需要はまだまだありそうだ。

【調査概要】

アンケート名称:【HR総研×楽天みん就】2024年卒学生の就職活動動向調査(3月)     
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)、楽天みん就(楽天グループ株式会社)
調査期間:2023年3月7~22日
調査方法:WEBアンケート
調査対象:2024年卒業予定の「楽天みん就」会員学生
有効回答:401件

※HR総研では、人事の皆様の業務改善や経営に貢献する調査を実施しております。本レポート内容は、会員の皆様の活動に役立てるために引用、参照いただけます。その場合、下記要項にてお願いいたします。
1)出典の明記:「ProFuture株式会社/HR総研」
2)当調査のURL記載、またはリンク設定
3)HR総研へのご連絡
  ・会社名、部署・役職、氏名、連絡先
  ・引用元名称(調査レポートURL) と引用項目(図表No)
  ・目的
Eメール:souken@hrpro.co.jp

※HR総研では、当調査に関わる集計データのご提供(有償)を行っております。
詳細につきましては、上記メールアドレスまでお問合せください。

  • 1